新型コロナの感染拡大が続く中国で、SNSに最近投稿された動画。
大きな建物を取り囲むように長蛇の列ができている。

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動画の音声:
みな“薬工場”に鎮痛剤を買いに来ている!これはものすごく異常だ!

動画に映っている建物は、薬の製造工場。
薬不足の深刻化を受け、人々は薬局だけでなく、薬の製造工場にまで直接並ぶようになったのだという。

松野官房長官:
これまでに、直前の検査結果が新型コロナウイルス陽性で死亡した邦人が1名いると承知しています。


ゼロコロナ政策の崩壊が引き金となった、中国国内の混乱。
そんな中、現地にいる日本人にも、新型コロナ感染との関係が疑われる死者が出ていたことが明らかになった。
重慶市在住の40代の日本人男性で、19日に死亡が確認されたという。

感染者は100万人以上?表面上は戻った日常生活

コロナ政策の大転換から約半月。
今の中国はどうなっているのか、FNNの記者が北京の街を取材した。

23日に向かったのは、北京にあるフードコート。
14日に同じ場所で撮影した時の様子と比べてみると、人出は戻っているように見える。

北京市民:
もう「陽性を経て健康」です。以後はもう大丈夫だと。
回りの友達もほとんど「陽性を経て健康」か、「陽性中」でも症状はみんな重くないです。


表面上は元に戻りつつある日常生活。
さらにSNSには、中国流の“ウィズコロナ術”ともいうべき変わった光景が投稿されていた。

ぶら下げられた4つの点滴。
見れば、その点滴をした4人が麻雀卓を囲んでいる。

別の動画でも点滴をしながら、麻雀卓を囲む人の姿が。

この動画のタイトルはずばり「陽性が4人 ちょうどマージャンができる!」
こうした動画には、「マージャンは何でも治す」「しばらく痛みを忘れそう」など、賛同する書き込みも見られた。

一方、中国における新型コロナ感染の危機的状況は、さらに深刻化していると見られている。

イギリスの調査会社が示した試算によると、中国における現在の新型コロナによる死者は、1日あたり5000人以上。感染者は100万人以上としている。

また、香港メディアは、中国当局が「地方都市にいる医師や看護師数百人を北京に動員した」と報道。
「当局は政府・共産党の機能が集中する首都の防衛を優先したようだ」と伝えている。

榎並大二郎キャスター:
当局が発表している死者数の信憑性というのも大変気になるわけなのですが…

明治大学 齋藤孝教授:
政府の発表に対する不信感は増しているような感じがしますね。
実態とかけ離れた発表をしている、そのことに国民が気付き始めている。政府の発表自体がもう信頼できないんじゃないかって流れですよね。

集団心理でいうと、やっぱり正しい情報が与えられないと混乱していく。疑心暗鬼を生ずるってことが起きてるんじゃないかと思いますね。

榎並大二郎キャスター:
コロナとの関係が疑われる日本人男性の死亡が確認されたわけですが、中国には日本人たくさん住んでいますし、薬の不足は本当に心配です。市民の命を守るための対策を早く打ってほしいです。

(「イット!」12月23日放送分より)