「アートメイク」は皮膚の表面に色素を入れ、眉毛などを描くもので、メイクの手間を省きたい人などから人気となっている。そんな「アートメイク」を、「脱毛症」などで悩む人に施し前向きになってもらおうと取り組む金沢市出身の女性がいる。その思いを取材した。
アートメイクに注力する理由とは
石川県金沢市にあるクリニック。
アートメイクアーティスト 金津由紀恵さん：
脱毛症になってからは毎日描いて大変だった感じですかね。
谷口莉菜さん：
はい、もう12、3年ほど…
専用の針を使って眉毛などを彫る「アートメイク」のカウンセリングだ。
施術するのは金津由紀恵（かなづ ゆきえ）さん。今年新たに取り組んでいるのは…
金津さん：
一般のお客様に向けてもアートメイクしているんですけれども、脱毛症とか化学療法を受けた方にお値段を安くしてアートメイクをさせていただきたいなという思いでやっています。
元々、血液内科で看護師をしていた金津さん。白血病などの治療を受ける患者をそばで見続け、感じたことがある。
金津さん：
眉毛とかの毛が抜けてきたり髪の毛も全部抜けてきちゃうんですけど、元気がなくなったりしてる方がけっこう多かったんです、「自分は病人」みたいな感じで。やっぱり、メイクとかしたりとか身なりを整えるだけですごく笑顔が増えてたりしてたので闘病意欲の1つとして、何かできることがないかなって思いました。
金津さんは、脱毛症の人などにアートメイクを知ってもらうきっかけになればと通常価格（通常は14万5000円：2回分）の半額で施術している。
今回の希望者は闘う女性
この日、訪れたのは金沢市に住む谷口莉菜（たにぐち りな）さん。
脱毛症を小学生の頃に発症。中学生の頃から眉毛を描いているという、そんな谷口さん、実は…。
プロのキックボクサーを目指している。
谷口さん：
眉毛は落ちますね。キックボクシングしていると汗とかでどんどん落ちて、だいぶ雰囲気が変わるので、自分の中でも最初は慣れなかったので嫌だなっていう思いがありました。
谷口さんはより前向きな気持ちでキックボクシングに打ち込みたいとアートメイクすることを決めた。
金津さん：
痛みはどうですか？
谷口さん：
全然大丈夫です。笑顔が似合う女性になったら、目が自分のチャームポイントになればいいかなって思いますね。
仕上がりに思わず「ニコッ！」
彫り始めてから約1時間…
金津さん：
確認お願いします。
谷口さん：
うわっ！すごい！
谷口さん：
めっちゃ、キレイですね。めっちゃ、うれしいですね。
希望通りの自然な眉毛に仕上がった。
谷口さん：
鏡近づけて見てしまいますね、思い切りプレイして、練習して全然眉毛を気にせずって感じで、これからもっと楽しみです。ありがとうございます。
金津さん：
鏡を見る瞬間がわたしも一緒にうれしいので。それが楽しくてこの仕事をしているっていうぐらいなのでやっぱりうれしいです。あそこまで喜んでもらえるといろんな人にそう思ってもらいたいなっていう気持ちになります。
「アートメイク」の新たな可能性。これから注目されること間違いなしだろう。
（石川テレビ）
