職人不足や建築資材の高騰などに対応しようと、国内初の土を主な原料にした3Dプリンターを使って建築した住宅が完成し、7月22日に報道陣に公開された。
国内初の土主原料の3Dプリンター住宅
LibWorkの瀬口力社長は「3Dプリンターの技術が出て、ようやく僕の理想に近い未来の家が、今回実現できたかなと考えている」と述べた。

完成したのは、3Dプリンターを使って建築された住宅。職人不足や建築費の高騰などの課題に対応しようと、熊本・山鹿市の住宅メーカー・LibWorkが手がけた。

3Dプリンターで土を主原料にして造られた壁は、日本古来の土壁を意識して造られている。壁は兵庫県淡路島の土を主な原料にして、アーム式の3Dプリンターを使って造られている

土で作られた壁だが、もちろん水は一切通さず、雨にも強い特殊な素材で造られているという。また、熊本地震の揺れにも耐えられる耐震性を持ち合わせていて、防音や断熱など住宅に必要な性質は兼ねそろえている。

今回報道公開された住宅は平屋建てで、延べ床面積約100平方メートル。『夫婦のゆったりとした暮らし』をイメージしていて、販売価格は6000万円からという。
瀬口社長「土で建てて土に返す」
また、このほか2000万円からの住宅も用意されていて、LibWorkでは今後、量産化など軌道に乗れば、コストの半減を目指しているという。

瀬口社長は「天然素材以外のものは含まれていないので、最終的には<土で建てて、土に返す>が実現できるのでは」と話す。

リブワークでは、壁の材料の配合に関する特許を出願中で、住宅の販売予約受け付けは8月から始める。リブワークによると、土を主な原料として3Dプリンターで造った住宅は国内で初めてだという。
(テレビ熊本)