旧統一教会の「養子縁組の問題」について、国が実態調査に乗り出すことになった。教会が把握しているだけでも745件という養子縁組。専門家は、“あっせん”についての組織的な認定の難しさを指摘している。

旧統一教会の「養子縁組」

旧統一教会が発行している「侍義(じぎ)生活ハンドブック」。合同結婚式で結婚した“祝福家庭”に向けた、“幸せになるためのハンドブック”といわれている。

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その中で、「養子縁組」についてこんな記述が…

<侍義生活ハンドブックより>
「天から子宝の恵みを受けた家庭は、その恩恵を子女の授からない家庭にも分かち合う責任があります」
「真の父母様は、この課題を解決するために『養子縁組』を許可してくださいました」

子だくさんの家庭は子供が生まれない家庭に養子を出すよう、教団が勧めているように読める。さらに、信者間での養子縁組を教団が把握していることをうかがわせるような内容も…

<侍義生活ハンドブックより>
「養子の約束を交わすのは、捧げる側の妊娠前が最も望ましく」
「両家で合意がなされたら、必ず家庭教育局に報告が必要です」

専門家の解説

11月16日、元2世信者3人を招いて野党のヒアリングが行われた。

養子縁組に関しては、「妹2人が養子に出されている。母親が妊娠した時点で養子に出すと聞かされショックだった。教会が推奨しているのが問題」「初めから子供を養子に出す前提で妊娠する人もいると聞いたことがある」といった証言があった。

この問題について、元信者などの支援活動をしている全国霊感商法対策弁護士連絡会の紀藤正樹弁護士に聞いた。

(Q.こうした養子縁組に関する相談は以前からあったのでしょうか?)
紀藤正樹弁護士:

1980年代から養子縁組があったのはある程度分かっていましたが、2世信者が証言することによって、全容が分かりました。ただ、1980年代からある程度分かっていたことを、厚生労働省がどうして放置していたのか、ということに関しては、何らかの責任問題が発生してくるんじゃないかと思います

何が問題? 旧統一教会の「養子縁組」

民間の養子縁組のあっせんは、反復継続して行うには都道府県への届け出が必要になる。届け出なく継続的に養子縁組をあっせんしていた場合は法律違反の恐れがあるため、厚生労働省は東京都と連名で事実確認の質問書を出すとしている。

一方の旧統一教会側は、「1981年から745人が教会内で養子縁組を行った。信者同士での養子縁組を推奨しているが、あっせんではない」と主張している。

教会のハンドブックには、次のような記述もありますが、教会側は養子縁組を推奨しているだけと主張している。

<侍義生活ハンドブックより>
「養子の約束を交わすのは捧げる前の妊娠前が最も望ましく…」
「天から子宝の恵みを受けた家庭はその恩恵を子女の授からない家庭にも分かち合う責任があります」
「真の父母様は子孫の事を深く考慮しマッチングしすべての祝福家庭に子女を授けたい」

(Q.組織性あっせんというのはありそうですか?)
紀藤正樹弁護士:

厚生労働省がどこまで旧統一教会の教義や組織的実態に踏み込むかが焦点です。霊感商法でもそうですが、旧統一教会は「信者が独自にやっている」という主張を繰り返して、組織的な責任を免れるような言い分を続けています。旧統一教会の実態は上意下達といった状態にあるので、2世信者からよく事情を聴いて、「上から言われたことを断れるのか」というところまで突き詰めないと、組織的な認定が難しい。厚生労働省と東京都には、その辺りをきっちり調査していただきたい

(Q.この「養子縁組」に関する法律は2018年に施行されているので、違法性を問うには、近年の調査が必要なんですね)
紀藤正樹弁護士:
ここ何年かで行われているかもそうですが、罰則のある法律なので、かなり厳密に調べないと分からないことも多いと思います。その部分も含めて、再発防止のためにも、子供たちの福祉の観点からしっかりと調べていただきたいと思います

子供の人権に関わる、「養子縁組問題」。行政による早急な実態調査が求められる。

(関西テレビ「報道ランナー」2022年11月17日放送)

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