11月16日、アメリカのトランプ前大統領が「2年後の大統領選挙に出馬する」と宣言した。 大統領選まで2年を残して早々と出馬を宣言したトランプ前大統領の狙い、最大のライバルと目される「新しいトランプ」とは…。

■早々の出馬宣言…理由は?

 共和党のトランプ前大統領が、「アメリカを再び偉大で栄光あるものにする」として、2024年の次期大統領選への立候補を正式に宣言した。

 選挙まで2年ある中で出馬宣言をした理由について、現代アメリカ政治に詳しい上智大学の前嶋和弘教授は「ライバルを意識して先手を打った」とみている。早ければ早いほど献金が集まり、共和党内のライバルの機先を制することができるということだ。

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 前嶋教授は、2024年の大統領選の共和党候補を決めるレースを、3人の戦いになるとみていまる。トランプ前大統領、フロリダ州のデサンティス氏(44)、トランプ政権時の副大統領だったペンス氏(63)の3人だ。

 現時点ではトランプ前大統領とデサンティス氏の一騎打ちとみられていて、デサンティス氏が出馬すれば、トランプ前大統領の「最大のライバル」となるということだ。

 ロン・デサンティス氏は現在44歳のフロリダ州の知事で、イエール大学とハーバード大学を卒業している。イラク戦争に従軍した経験があり、4年前にトランプ前大統領の支持を受けて州知事になった。

 トランプ前大統領とおなじく保守派で、人工妊娠中絶の制限や、リベラル派メディアの敵視、フロリダ州内でLGBTQ教育の規制などをしている。こういった経歴や主張などから、“新しいトランプ”、“賢いトランプ”、“ミニトランプ”などと呼ばれている。

 前嶋教授は今後のトランプ前大統領の動きについて、「デサンティス氏が出馬しないよう、暴露話などで徹底的につぶしにかかるだろう」とみている。すでにトランプ前大統領は、自身が支援した4年前の知事選時の“不正”をにおわせ始めているということだ。

 大統領選の共和党候補を決めるレースについて、報道ランナーに出演する菊地幸夫弁護士は…

菊地幸夫弁護士:
今回の中間選挙は評価が難しいようで、トランプ前大統領を「唯一の敗北者」と言う人もいれば、「彼のおかげで“トランプジュニア”が当選している」と言う人もいる。どう評価したらいいのか、選挙自体も共和党が勝ったのか負けたのか…。トランプ前大統領が「今の勢いで」と言えるかどうかというところで、デサンティス氏はかなり有力なライバルになるんじゃないでしょうか

(関西テレビ「報道ランナー」2022年11月16日放送)

関西テレビ
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