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「すい臓がんの中でも、腺房細胞がんという診断名がつきました」

カメラの前で笑顔で語るのは、みずきさん(32)。
11月6日にYouTubeで公開された「婚約中の彼女がすい臓がんになりました。」という動画の中で、「すい腺房(せんぼう)細胞がん」と診断されたことを告白しました。

動画は、14日の時点で400万回以上再生され、「胸が締め付けられる」「感動しました」という声が寄せられています。

治療が難しいすい臓がんの中でも珍しい「すい腺房細胞がん」。
「めざまし8」は、精密検査を受けたときの資料を見せてもらい、その状態を確認。病と向き合うみずきさんと、その婚約者を取材しました。

幸せな2人旅が…告げられた突然の“余命宣告”

動画を投稿した、みずきさんと婚約者のこうへいさん(35)は、2022年4月からキャンピングカーで日本全国をまわり、その様子をYouTubeに投稿していました。旅の目的は全国47都道府県を巡りながら、2人の定住の地を探すこと。

しかし、旅を始めて1カ月目の2022年5月、みずきさんの体に異変が。

みずきさん:
ちょっと痛いなと思っていたぐらいだったんですけども、それが何日か治らないっていうところで、気になるなと思って、病院に行ったのが最初です

大分県で体調を崩し、病院を受診。一度は大きな病気ではないとの診断を受けましたが、その後、四国で痛みが再発。みずきさんの地元・北海道で精密検査を受けることになりました。

検査の結果、「すい腺房細胞がん」と判明。
しかも、すい臓周りのリンパ節と鎖骨周りに転移していることが判明し、ステージ4と診断されたといいます。
医師からは、何もしなければ余命4カ月、治療をして6カ月から2年と告げられました。

婚約者の こうへいさん:
希少であって、ほぼ症例がない。特にみずきみたいな若さでは、お医者さんとしては聞いたことがないっていうふうに言われました。
すい臓がんっていうのが良くないものだっていうのは、その前から知識としてはあったので、ショックを隠しきれなくて、僕と彼女と母の3人で行ったんですけど、僕だけめっちゃ泣いちゃって…

婚約者の余命宣告に立ち会い、動揺したという婚約者のこうへいさん。
一方、みずきさんは診断後、別の感情を抱いたといいます。

みずきさん:
診断された後も、こうへいくんと、家族、あとは病気を知った友達は、私が「生きる」ことを望んでくれた。長く生きることを望んでくれた。
私自身はその言葉を聞いて、私が悲しいとか言っている場合じゃないし、こんなに生きてほしいって思ってくれる人がそばにいる。だから、もう絶対生きなきゃいけない

病を克服して「生き続けて欲しい」。こうへいさんをはじめとする周りの人たちの思いが、力になっているといいます。

みずきさん:
一緒に居る時間の中で、1日でも1時間でも、一緒に泣いて過ごすよりは、楽しく過ごしている時間が長いほうが絶対にいいと思ったので

希少ながん「一人でも多くの情報源に」 賛否ある中発信する思い

投稿した動画の中でも、笑顔を絶やさないみずきさん。キャンピングカーでの旅行は一時中断し、自らの病について発信しています。

みずきさん:
珍しいがんということもありましたし、私の32歳という年齢のこともありまして、少しでも、一人でも多くの方の情報源になったりですとか、おこがましいですけど、ちょっとでも元気になってもらえたらなという気持ちもありましたので、発信したいっていう気持ちがまず第一にありました

YouTubeでの闘病記には、賛否の声があるといいます。
それでもみずきさんと、こうへいさんは、この活動を前向きに考えています。

みずきさん:
YouTuberになった時点で、いろんなご意見をいただくっていうことは、重々承知の上でこういった仕事をしている。
自分たちなりの仕事だったりとか闘い方で、病気と闘っていくっていうことしか、言うことが難しいかなと思います

婚約者の こうへいさん:
今、急にこの病気になったというところで、じゃあ、彼女がどうやったら幸せに生きていけるかというか。選択肢を増やそうと思うと、正直に言えば金銭的な問題があったわけで。そこをYouTube(の収益)でカバーできたらうれしいなと思って、自分にできることは何でもやろうと思っています

みずきさん:
何よりも周りに人がいてくれるっていうのが、私にとっては、こんなに幸せなことないって毎日思うので。毎日幸せだなとか楽しいなって、本当に思います

(めざまし8 11月15日放送)