不動産物件を物色中に、営業マンを煩わしいと思ったことはないだろうか。
IoT技術を使い、営業マンと顔をあわせずに物件の見学ができるシステムを、広島県の不動産会社が導入した。コロナ禍の影響で非接触型のビジネスモデルが普及しているが、この不動産会社はビジネスの効率化の目的もあるという。

ネットで事前登録 スマホで解錠…営業マンと会わず自由に内見できる

五十川裕明記者:
広島県内の不動産の内見に、新しい風が吹くかもしれません。使うのはスマートフォンです。

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広島・廿日市市にある新築戸建ての分譲住宅。あらゆるものをインターネットに接続させるIoT技術を駆使することで、不動産会社の立ち合いがなくても、内見が可能になった。

五十川裕明記者:
IoT技術でスマートフォンが鍵になります。いま、まだ鍵は閉まっているんですが、ボタンを押しますね

スマホに事前登録した物件が表示される
スマホに事前登録した物件が表示される

五十川裕明記者:
お、開きました。そして、私がこのままあがって、1人で内見をしていいということなんです

専用のホームページ上で、訪問の予約日時から鍵の開け閉めまでを操作する無人の内見は、不動産会社のトータテが導入したシステム。なぜ、無人の内見システムを導入したのか。

トータテ都市開発 事業企画部・浅並大悟次長:
営業マンにあまり会いたくない。会うとどうしても営業をかけられてしまうのが苦手、という方もいらっしゃると思います。私たちがどうぞ見てくださいと言って勧めるのではなく、お客さんがすべてを決めて、こちらに来られるので、私たちにとってもとてもありがたいお客様になる

営業マンの人件費節約だけでなく、販売エリア拡大の可能性も

新型コロナの影響で非接触型の接客が社会に浸透する中、より自由に物件を見てもらうことで、まだ購入を迷っている人の敷居を低くできる。
それとともに、会社側も現地に担当者を派遣させる手間が省け、人件費の効率化が期待されている。

浅並大悟次長:
無人化によって人に会わなくていいとかではなくて、その分、より手厚いサービスをどこかにかけられるようになるんじゃないかなと思っていますし、今後はそういったビジネスモデルが広がっていくんじゃないかなと思う

利用者には事前に会員登録をしてもらうほか、家の中の監視カメラの映像をリアルタイムで会社につなげるなど、IoT技術を取り入れることが防犯面でも役に立っているという。

五十川裕明記者:
今まで通り、対面での内見もあるんですが、無人ですから、こうしてくつろいでじっくり見ることができるのもいいですね

浅並大悟次長:
販売エリアの拡大も1つの可能性ですね。販売をするところに営業の人間がいないから売れないではなくて、こういう仕組みを作ることで、売れていく物件、売れていくエリアを広げることもできると思う

現在、この無人で内見できる物件は、広島と岡山の4件にとどまっているが、この不動産会社は今後さらに対象を増やし、ビジネスチャンスをつかみたいとしている。

(テレビ新広島)

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