大型の天体望遠鏡にうつる、月や土星。そのリアルな映像をスマホで撮影…。秋の夜長に、そんなロマンあふれる撮影会が、広島県三原市の天文台で行われた。

月面のクレーターがくっきり!天体観測のプロがスマホでの撮影を指導

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藤原宇裕 記者:
夜の時間が長くなり、天体観測するにはいい季節になりました。きょうはこちらの天文台で、月や星をスマホで撮影します

10月初旬、スマホを使った撮影会を始めたのは、三原市にある宇根山天文台。指導員の山崎さんが、撮影方法を教えてくれる。

宇根山天文台・山崎幸夫 指導員
宇根山天文台・山崎幸夫 指導員

宇根山天文台・山崎幸夫 指導員:
こちらの望遠鏡にスマートフォンをセッティングして撮影すると、どなたでも月、木星、土星などを撮影することができます

そう言って山崎さんが操作しているのは、大型の望遠鏡だ。

子ども:
すごいすごい ダイヤモンドみたい

こちらの天文台では、土日や祝日には昼や夜に観察会を開いているほか、プラネタリウムも上映している。毎週、県内外から多くの人が訪れる。

宇宙の魅力をより多くの人に感じてほしいとの思いから、この秋から、来館者が少人数の日に限り、スマホを使った撮影会を始めた。

撮影会のこの日。太陽が沈むと、夕焼けの空に月がはっきりと浮かびあがった。

撮影会当日、空にはっきりと月が…これは撮影チャンス!
撮影会当日、空にはっきりと月が…これは撮影チャンス!

藤原宇裕 記者:
午後6時前です、南東の方角に上弦の月が浮かんでいます。スマホを見るときれいに映っています

スマホにもくっきりと月が!
スマホにもくっきりと月が!
月面のクレーターまでくっきりと
月面のクレーターまでくっきりと

宇根山天文台・山崎幸夫 指導員:
スマホでも十分きれいに撮影できますし、それに対応したアプリも出ています。
夜空の美しさを撮影してSNSでやりとりする人も増えているので、ネット上で見かけて興味を持つ人は、どんどん増えると思います

土星の環、木星の縞模様もわかる…自分のスマホで撮影

次に挑戦するのは、太陽系の中では2番目に大きな惑星、土星。
土星の「環」はほとんどが氷でできていて、塵ほどのサイズから数メートルの塊まである。NASAによると、この「環」は土星の重力によって分解されつつあり、1億年後には「環」が消えるかもしれないという。

この日は雲が多く、なかなか姿を現さないが、待つこと15分…。

藤原宇裕 記者:
スマートフォンに土星がはっきりと映っています、リングも映っています

スマホにうつった土星
スマホにうつった土星

非常に小さいが、土星の形がはっきりと分かる。

小さいが、はっきりと形がわかる
小さいが、はっきりと形がわかる

最後に挑戦するのは、太陽系の中で、大きさ・質量ともに最大の惑星、木星だ。

実は今 木星は、地球から見て太陽とちょうど正反対の位置にくる瞬間=「衝(しょう)」を迎えていて、国立天文台によると、1等星と比べ約40倍も明るく輝いているという。

藤原宇裕 記者:
午後8時前、東の方向を見ると、これが木星なのですが、スマホで見ると明るすぎて縞模様が見えません

そこで、明るさを調整してみると…。

スマホにうつった木星。明るさを調整し縞模様も見えた!
スマホにうつった木星。明るさを調整し縞模様も見えた!

藤原宇裕記者:
こちらがスマホで撮った木星の写真です。アップすると、少し分かりにくいですが、縞模様も見えます

最近のスマホは、多くに夜間撮影の機能が付いていて、簡単に夜空の星を撮影することができる。

宇根山天文協会・安保悦朗 会長:
今の世の中、SNSがよく使われている。画像や動画を通じてコミュニケーションが広まり、宇宙や天体への関心が広がってくれたらうれしい。大変いい刺激になるのではないかと思います

秋の夜長に、月や星々を心ゆくまで、ゆっくりと眺めてみてはいかがだろうか。

(※宇根山天文台での撮影会は、スマホの取り付けに時間がかかるため、来館者が少ない日に限り行っている)

(テレビ新広島)

テレビ新広島
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