全国大会2連覇を達成した、石川県内で唯一の女子軟式野球チーム「ダラーズ」に、今後の活躍が期待されている女子高生ピッチャーがいる。女子軟式野球の平均球速を上回るスピードボールの持ち主だ。コロナ禍の困難を乗り越え、チームの中心選手として活躍している。
日本一の女子軟式野球チーム「ダラーズ」とは?
石川県白山市の野球場。そこで練習していたのは、石川県内唯一の女子軟式野球チーム「ダラーズ」の選手たちだ。
この記事の画像(26枚)ここでは、中学生から40代まで幅広い年代の選手が週に4回練習している。
ダラーズ 神田亜依キャプテン:
上は46歳から、下は12歳までいるので「お母さんより上」という年齢差で野球をしています。でも、すごく仲良くにぎやかなチームです。
ダラーズは、2022年8月、一般の部の全国大会で2大会連続の優勝を決めた強豪チームだ。
そんなチームの中心選手に、はつらつとした笑顔が印象的な女子高生を見つけた。野崎初季(のざき・いぶき)さんだ。
野崎初季さん:
高校3年、ポジションは、ピッチャーとショートをしています。
投球練習を見学させてもらった。
記者:
何キロくらい出るんですか?
野崎初季さん:
115キロくらい…、たぶん。
女子軟式野球の平均球速は100キロほど。それを15キロも上回るスピードボールが、野崎選手の強みだ。
さらに、2021年からは、1番バッターとしてチームを引っ張っている。
野崎初季さん:
全日本に出てる選手が教えてくれる投げ方とか、真似して遊びながらやっていた。
同じピッチャーで日本代表経験もある坂下翠(さかした・みどり)選手に指導を仰ぎ、今では5つの球種を習得。
坂下翠選手:
球がすごい速いから、練習でもバッターに立つとついていけない。持って生まれた才能と、ダラーズでの6年の練習がある。
真の日本一を決めるジャパンカップ2日前。祖父母の家に、親戚一同が集まり壮行会が開かれた。
野崎一家:
ジャパンカップがんばれ~!
いつも明るい野崎選手だが、笑顔が消えた時期があったという。
理由のわからない脱力感に駆られ2カ月間、学校にも大好きな野球の練習にも行けなくなったのだ。
野崎さんの父 大介さん:
去年コロナで鬱になって…。親としては行ってほしいけど無理にも言えない徐々に接しているけど…。
そんなときに手を差し伸べたのが…。
野崎初季さん:
神田キャプテンが、毎日LINEしてくれて、何も気にせんでいいよって今も楽しく野球できている。
野崎一家:
がんばれー!がんばれー!いーぶ!
野崎初季さん:
絶対に日本一になる!
真のチャンピオンを決める!ジャパンカップ
2022年10月9日。
「一般の部」と「大学の部」のチャンピオンが戦い、真の日本一を決める「ジャパンカップ」。対戦相手は、日本女子体育大学だ。
試合はベテラン、坂下選手がタイムリーヒットにソロホームランを放つ大活躍。
3点リードで迎えた6回表
ベンチ:
ピッチャーかわるよ。
野崎初季さん:
はい!
抑えとして野崎投手が起用された。
ダラーズの選手達:
さぁ、行こうぜー!
立ち上がり、緊張からか、投球が乱れ…
タイムリーヒットを許し、1点を返された。
さらに、ワイルドピッチ。ここでチームメイトが、マウンドに集まった。
野崎初季さん:
まだ2点もあるし、「全然大丈夫」って、みんなが声をかけてくれてホッとした。
この回は何とか抑えた野崎投手。
そして最終回の7回、2アウト1塁、2塁。ホームランが出れば逆転されてしまうピンチを迎えたが…。
野崎初季さん:
どんだけピンチでも、自分らしく。
最後は、空振り三振に仕留め、日本一の栄光をつかんだ。
野崎初季さん:
周りの力も借りつつ、自分の持ち味のストレートをしっかり投げることができた。来年もダラーズを続けて、来年も優勝したいです。
仲間に支えられ一歩一歩、成長する野崎選手。これからの進化に期待だ。
(石川テレビ)