三重県の知事が生活する住宅「公舎」を巡り、存続か廃止かなどの議論が10月から始まる。議論のきっかけは「ムカデ」だ。

「ムカデが出た」きっかけに議論開始 知事“存廃の判断は有識者に一任”

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一見勝之 三重県知事(5月10日):
(公舎に)ムカデが出まして。それもあって引っ越した方がいいかなと。(ムカデが)家の中に出たので、ちょっと大変かなと

「公舎にムカデが出る」。2022年5月の記者会見でそう話し、公舎からの引っ越しを示唆した、三重県の一見勝之知事。この翌週には…。

一見勝之 三重県知事(5月16日):
窓開けると虫入ってくるので…。
Q.引っ越しの予定は?
早く決めないかんなと。知事公舎全体をどうするかという議論もしてみないかん

知事公舎の今後について、議論が必要だと指摘した。

ムカデが出るという知事の公舎とは?取材班は実際に、公舎を訪れた。

築40年超 歴代4知事が修繕繰り返すも…雨漏りの跡やシミ

敷地に入ってみると、印象的な赤い屋根が見えたが、黒ずんでいて手入れが行き届いていない印象を受ける。

赤い屋根は黒ずんでいる
赤い屋根は黒ずんでいる

1978年に建てられた築44年の知事公舎は、延べ床面積約330平方メートル、鉄筋コンクリート造りの平屋だ。

津市にある県庁の南西 約400メートルに位置する、1万9000平方メートルの敷地内にあり、家賃は月7万2000円ほど。

知事が生活する私邸部分と、業務や来客対応用の公邸部分が1つになっているが、キッチンスペースには虫の死骸があった。

2021年9月に単身赴任で入居した一見知事。公邸部分はほとんど使っていないうえ、掃除については県の担当などもなく、この状況に。

また一見知事の前にも、歴代4人の知事が入居し、修繕を繰り返してきたが、天井や壁には、雨漏りの跡とみられる変色やシミもあった。

天井一面に雨漏りの跡が
天井一面に雨漏りの跡が

維持費は年680万円 県民の声は?知事「私はまな板の上のコイ」

さらに…。

一見勝之 三重県知事(9月20日):
維持管理が結構経費かかっているんですね。それはやっぱり県民の税金ですから

広大な敷地内にあるたくさんの樹木や庭。この管理などを中心に、県は2021年、維持費として約680万円を負担している。

こうした現状から、県は防災の専門家や不動産鑑定士などによる有識者会議を設置し、10月5日から存続か廃止かなどを議論すると発表した。

三重県民A:
いい機会じゃないですかね、知事さんも代わったし

三重県民B:
住んでいる人が住みにくかったら、考えたらええのと違いますか

三重県民C:
あそこは高台にあるので防災面でもいいと思いますけど。ある程度のお金は必要だと思うんですけど、それはこれから議論したらいいんじゃないかなと思います

ムカデを引き金に議論が始まる知事公舎の今後。有識者会議では、年内には結論を出す方針だ。

一見勝之 三重県知事:
私は「まな板の上のコイ」、言われたところに住むと。経費節減ということも含めて考えていっていただけたらいいんじゃないかなと思います

(東海テレビ)

東海テレビ
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