退職の意思を本人に代わって会社に伝える「退職代行サービス」。そのひとつ「モームリ」が、実際の電話対応の様子を公開しました。わずか4分で退職が成立するスピード感や、本人が会社に一切連絡せずに辞められる仕組みとは?退職代行のプロたちの“淡々とした対応”から見える、新しい“辞め方”のリアルに迫ります。

■4分で退職完了…『モームリ』が公開した退職代行のリアル
4万件以上の退職の代行を行った「モームリ」が退職代行の電話対応の一部を公開しました。
退職代行モームリの担当者:
「突然のお電話失礼いたします。退職代行モームリのアサクラと申します。御社でお勤めのA様より依頼があり、退職希望とそれに伴い今後の出勤ができない旨をお伝えするためのご連絡でございます」

依頼者は、今年度、飲食業に就職した20代の男性。店長に嫌味を言われるなど職場の雰囲気が悪く、早くも退職を決意したといいます。
モームリの担当者:
「ご本人様やご家族様への直接の連絡は控えて欲しいと伺っておりまして」
人事担当者:
「本人の状況確認等は必要だと思うので」
モームリの担当者:
「もし急ぎの内容などありましたら、私宛にご連絡いただければ、私からA様へのお伝えします」
通話時間は約4分。あっという間に退職の通知が終わりました。こうした退職の代行は、具体的にどのような流れで行われているのでしょうか。

モームリの担当者:
「ご依頼があった際に、ヒアリングシートに回答いただく。その後、お支払いいただいた後に会社連絡という流れ」
電話やラインなどで申し込み、ヒアリングシートを元に打ち合わせをして情報を共有。費用は、正社員で一律2万2000円。支払いが済むと、モームリから会社へ電話をして、依頼者の退職の意思を伝えます。
モームリの担当者:
「現場ではなく、その上の退職の手続きをされている方に連絡をするので(多くは)スムーズに進みます」

モームリでは退職届のテンプレートも用意されていて、必要な場合は郵送します。結果、本人が出社したり、会社と直接連絡をとったりすることもなく退職が完了する仕組みです。
■退職をスムーズに…モームリが意識する「淡々とした対応」
ちなみに、会社に荷物を残してきた場合はどうなるのでしょうか。
モームリの担当者:
「ロッカー内に置いてきている文房具とカバンを、着払いにて返送希望と伺っているのですが、対応可能でしょうか」
人事の担当者:
「そうですね。分かりました、はい」
モームリでは、私物についてはなるべく会社連絡前に回収しておくことを依頼者へ推奨しているといいます。

また、モームリでは、会社と話をするときに一貫して行っていることがあるといいます。
モームリの担当者:
「やはり会社の方は感情的になられたりするので、そこで私たちが感情的になると退職がスムーズに確定しないので、『淡々と』を意識しています」
スムーズな退職の確定のため、モームリの担当者は常に「淡々とした対応」に努めているといいます。

「職場で殴られた」、「出張で上司とツインルームを予約された」など、会社を辞める理由は人それぞれですが、中には『パリオリンピックに行きたいから退職希望』という依頼者もいたといいます。
また、過去には、まだ数日しか出勤していないモームリの新人社員が、別の退職代行を使って退職したという、冗談のような話もあったそうです。

退職代行を利用する人の事情はさまざまで、“辞め方”も時代とともに変わりつつあることを実感させられます。
2025年7月4日放送
(東海テレビ)