秋にかけて、特にホコリを介しての患者が増えるという「ダニアレルギー」。なぜこの時期増えるのか、専門医に聞いた。
アレルギーの原因は「ダニの死骸やフン」
井上愛梨アナウンサー:
暑かった夏も終わり、季節は秋へ。この9月と10月に患者が増えるのが、ダニアレルギーです
アレルギーの専門医である福井赤十字病院 耳鼻咽喉科の大澤陽子医師は、「原因はダニの死骸やフン」だと話す。
この記事の画像(8枚)福井赤十字病院 大澤陽子医師:
一般的な症状は、最初にくしゃみ、鼻水、鼻づまり。これが繰り返し、もしくは持続的に出る。目がかゆくなったり充血したり、目やにが出たりする人もいる
高温多湿を好むダニにとって、夏は一番好きな季節。夏に繁殖したダニが、秋になって寒くなると死に、その死骸やダニのフンなどがダニアレルギーの原因になるのだ。
ここでクイズ。和風住宅と洋風住宅、ダニが好むのはどちらか?正解は「洋風住宅」だ。
福井赤十字病院 大澤陽子医師:
昔の日本家屋のような、隙間風が吹いて風通しのよい住宅は、あまりダニは好まない。今の洋風住宅のように密封性が高く、カーペットなどを敷いている家は、ダニの繁殖地帯になってしまう。ダニアレルギーが増えてきた原因の一つとも言われている
1日に2回は換気を 寝具の対策も重要
では、ダニアレルギーにならないためにはどうすればいいのか。対策の主な要点は次の3点だという。
(1)換気は大事。1日少なくとも2回は風通しを良くする
(2)掃除も大事。乾燥したモップで掃除をするのではなく、ウエットタイプのモップでフローリングを掃除する
(3)カーペットは念入りに掃除機をかける
また、寝ている間はダニアレルゲンを吸い込みやすい。そのため寝具の対策が重要だ。
福井赤十字病院 大澤陽子医師:
布団を干したあとに、念入りに掃除機をかけてホコリを吸い取る。できたら、その上にさらに防ダニシーツをかけてもらうのがベスト
干したあと、すぐに掃除機をかけるのがポイントだ。少なくとも5分は念入りに掃除機で吸い取る。一方、布団をたたくのは、静電気で戻ってくるためダニを除去する効果はないという。
ダニアレルギーは一般的に秋に増加する傾向にあるが、近年、季節による変動が少なくなっていると大澤医師は話す。
福井赤十字病院 大澤陽子医師:
一昔前まではこの季節変動はかなり激しく出ていた。密閉した住宅になってからは、冬もアレルギーが出る子どもが多いと言われている。基本的には、ダニと接触しないようにするのが治療の根本。ただ、ダニはどこにでもいるので、ダニの温床をできるだけ少なくする対策が大事
(福井テレビ)