「第33回高松宮殿下記念 世界文化賞」受賞者の横顔。音楽部門の受賞が決まった、ポーランド出身のピアニスト、クリスチャン・ツィメルマンさんを紹介する。
クリスチャン・ツィメルマンさんは、1956年にポーランドで生まれ、5歳からピアノを始めた。18歳のとき、ショパン国際ピアノコンクールで優勝。翌年CDデビューして以降、世界の名だたる指揮者たちと共演してきた。

ツィメルマンさん:
私と楽器の関係はとても独特で、とても変わっている。(ピアノとは)まるでもうひとりの人間と話しているようなのだ。
「ピアニストは楽器に興味を持つべき」という信念のもと、自らピアノの組み立てや調律までこなす。楽器の構造や音響学など、豊富な知識が、繊細で緻密な演奏を形作っている。
1978年の初来日以降、日本での公演は250回以上。2003年からは東京に自宅をもつほどの親日家だ。
ツィメルマンさん:(日本公演の)観客の中に同じ顔を見かけ、時には40年同じ場所に座っているのを見て、古くからの友人の元に帰ってきたような気がするのだ。

健康が許す限り音楽に寄り添いたいと語り、世界の聴衆を魅了し続けている。