「第33回高松宮殿下記念 世界文化賞」受賞者の横顔。建築部門の受賞が決まった、日本の建築家ユニット「SANAA(サナア)」の妹島和世(せじま・かずよ)さんと西沢立衛(にしざわ・りゅうえ)さんのこれまでの業績を紹介する。

妹島さんと、西沢さんは、1995年に「SANAA」を結成した。

2004年にオープンした「金沢21世紀美術館」は、開放的で洗練されたデザインが国際的に脚光を浴びた。

石川・金沢市の「金沢21世紀美術館」(設計:SANAA)
石川・金沢市の「金沢21世紀美術館」(設計:SANAA)
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妹島さん:
街は美術館だし、美術館は街のようなものというようなことを提案したんです。何となく美術館だけが切り離されるというよりも、やっぱり街と共にあるし、美術館の中もその延長になるというようなことを考えたんです。

その後も2人は世界各国でさまざまなプロジェクトを手がけ、2010年に建築界のノーベル賞と呼ばれる「プリツカー賞」を受賞した。

ふたりに役割分担はなく、全て一緒に取り組み、目指すのは「公園のような場所」をつくることだ。

西沢さん:
自分たちと無関係の建物というのではなくて、“みんなのものだ”というのが空間として分かるというのかな。それがやれるかどうかというのは、すごく大きいかなと思います。

ニューサウスウェールズ州立美術館の増築(設計:SANAA © Art Gallery of New South Wales)
ニューサウスウェールズ州立美術館の増築(設計:SANAA © Art Gallery of New South Wales)

2022年12月には、オーストラリア・シドニーにある州立美術館の増築部分が一般公開されるなど、現在も世界各地でプロジェクトが進行している。

国際取材部
国際取材部



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