東北勢初、仙台育英の優勝で幕を閉じた夏の甲子園。最後まで戦うことができたチームがあった一方、新型コロナの影響で試合の出場を辞退したチームもあった。
一度は諦めた宮城県大会「三回戦」。2022年8月30日、球児たちが1カ月越しの「再試合」に臨んだ。
「コロナに始まってコロナに終わったけど、悔いはない」。

宮城県大会「三回戦」…新型コロナの影響で出場を辞退

東北生活文化大学高校、硬式野球部。8月29日、グラウンドには引退した3年生の姿があった。

この記事の画像(14枚)

前主将 岩井陽幸さん(3年):
ノックとバッティング、この3年生がいて、全員いてやるわけだけど、本当にこれが最後で、あしたが最後の試合で、どんな結果であっても最後にやりきったと思えるように、きょうの練習・あしたの試合にできるよう、きょうはしっかり声をだしていこう

2022年7月19日、宮城県大会「三回戦」で東北高校と対戦予定だった東北生文大高校。直前に新型コロナの影響で出場を辞退…。3年間ともに闘った監督も、この夏、勇退することが決まっていた。

水沼武晴 前監督:
子供たちは当然、試合をやりたかったと思う。悔しい気持ちは電話口でもわかるんですが、それでもこういう状況なので迷惑はかけられないので辞退しましょうと

1カ月越しに実現した「宮城県大会三回戦」

突然訪れた、夏の終わり…。そんな中、対戦するはずだった東北高校から、8月に再試合の申し出があった。後輩たちも最後の練習を支えた。

前主将 岩井陽幸さん(3年):
私たち3年生は入学から、コロナで始まって、コロナに終わったような学年。いろんな制限された中でやらなければいけないこと、やれることを最大限やれたと思うし、悔いはないです。この部員で野球をするのも最後だし、自分が投げるのも最後なので、野球に対して感謝・ありがとうの気持ちを持って腕をふりたい

そして、8月30日。雨が降った影響でグラウンドには水たまりが…。それでも、対戦相手の東北高校野球部のメンバーが、グラウンド整備を行い、その時を待った。

東北生文大高校 円陣:
みんなで最後良い野球をしましょー!
よーし

1カ月越しに実現した「宮城県大会三回戦」。東北生文大高校、そして、東北高校ともに気迫のこもったプレーでぶつかった。

先制したのは東北生文大高校。格上の東北高校相手に、初回から1点を奪った。両校ともに先発したメンバー全員が3年生。コロナ禍で夢舞台・甲子園を目指した、いわば同志。会場には保護者も駆け付け、高校生として臨む最後の試合を見守った。

試合は、東北生文大高校が東北高校に6対5で勝利。両校の選手たちは最後まで全力プレーで戦い抜いた。

水沼武晴 前監督:
後輩も、お前たちのために一生懸命声出して盛り上げてくれた。本当に生文らしい、最後にいい野球みせてくれました

試合終了後、選手たちから監督にサプライズが。

「40年間、宮城県の高校野球盛り上げてくださって、お疲れ様でした」

新型コロナに翻弄された3年間。それでも…周りにはいつも仲間がいた。

前主将 岩井陽幸さん(3年):
コロナで始まってコロナで終わったが、最後の最後、いままで打てなかった人が打てたり、守れなかった人が守れたり、成長やいままでの過程を思い出して試合をした

東北生文大高校の夏が終わった。

(仙台放送)