新型コロナウイルスの累計感染者は2022年8月現在、岡山県で20万人、香川県で10万人を超えた。オミクロン株の流行以来、感染者の数は急増している。
こうした中、気になるのが新型コロナの後遺症。岡山大学病院の「コロナ・アフターケア外来」で後遺症の診察を行っている大塚文男副病院長に聞いた。
デルタ株までは「嗅覚・味覚障害」「脱毛」症状
岡山大学病院 大塚文男副病院長:
2021年2月15日にアフターケア外来を開設して1年半。約370人の患者を診てきた。2021年の2、3月から7月くらいまでアルファ株、その後7月後半くらいからお盆過ぎにかけてデルタ株が猛威をふるった。
【流行期間】(年月はピーク)
第1波 2020年4月 ※従来株
第2波 2020年8月
第3波 2021年1月
第4波 2021年5月 ※アルファ株
第5波 2021年8月 ※デルタ株
第6波 2022年2月 ※オミクロン株
第7波 2022年8月
岡山大学病院 大塚文男副病院長:
当時は岡山県でも1日300人くらい感染すると「多いな」と思っていた時期だが、かなり重症化をしていた。症状はデルタまでは「嗅覚・味覚障害」が非常に多かった。それから「脱毛」も一般的に言われていた。
オミクロン株で「倦怠感」が増加 「頭痛」で生活に影響も
岡山大学病院 大塚文男副病院長:
オミクロン株がはやりだして半年を超え、100例くらいの後遺症を見ると、「ちょっと性格が違う」と感じる。嗅覚・味覚障害が減り、代わりに増えてきたのが「倦怠感」。疲れやすい、仕事に集中できない。体を起こせないといった倦怠感が尋常ではない。それに伴い「頭痛・睡眠障害」が目立つようになった。頭が重たい、それによって眠れない、寝てもすぐ夜中に目が覚めてしまう。
精神的に鈍い、ぼーっとしている感覚を、医学的な診断名ではないが「ブレインフォグ」という。さっき言ったことをすぐ忘れてしまうとか、同じことを何回もしてしまうとか、車の運転や機械の操作、難しいことがうまくいかないとか、様々な訴えがある。「ブレインフォグ」はデルタ株で少し増えてきたのが、オミクロン株になって増え続けている印象がある。
10代のような若い世代でも、デルタ株では嗅覚・味覚障害が一番の症状だったが、今はほとんどない。倦怠感と頭痛、特に頭痛が困る。学校に行けない原因になる。前年のデルタ株の時もそうだったが、夏が終わり次の学期が始まる。そして受験シーズンを迎えるといった、お子さんにとって負担の多いシーズンになる。そういった時に感染が持続し後遺症があるのは、集中力、元気を落とす面があるのでよくない。
※データ提供:岡山大学病院
(岡山放送)