千葉県匝瑳市で、行方不明の高齢女性を、夜道で、発見・保護した女子高生と、体調不良で動けなくなった高齢男性を助けた男子高校生6人にそれぞれ感謝状が贈られた。

夏休みの”お手柄”高校生7人に感謝状が贈られた(24日 匝瑳署)
夏休みの”お手柄”高校生7人に感謝状が贈られた(24日 匝瑳署)
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千葉県警匝瑳警察署から感謝状を贈られたのは高校2年生の田村愛さん(17)。田村さんは、今月22日午後9時半すぎ、アルバイト帰りに、いつものように自転車を走らせていた。すると街頭が少なく、人通りもない一本道で、突如、自転車のライトに人影が映ったという。

行方不明の高齢女性を発見・保護した田村愛さん(17)
行方不明の高齢女性を発見・保護した田村愛さん(17)

「こんな時間におかしいな」と思い近づくと、フラフラと歩く高齢の女性が。声をかけようか迷ったというが、勇気を出して声をかけると、「畑の帰り」「自転車がそこにある」などと言動があいまいで、道のない方向に行こうとしたり、自宅の電話番号もわからない様子だったため、“迷子”と確信。女性がどこへも行かぬよう、その場で保護したという。

実は、この高齢女性は、そのおよそ4時間前の午後6時ごろ、匝瑳警察署に、行方不明者として相談が寄せられていたのだ。およそ20人の警察官と警察犬まで投入されて、捜索活動が続けられていたが、、夜が更けても女性は一向に見つからず。匝瑳署内が焦りに包まれていた中、女性を保護した田村さんからの通報が入ったという。

田村さんは「地域の人たちに”お返し”できて嬉しい」と笑顔で答えた。
田村さんは「地域の人たちに”お返し”できて嬉しい」と笑顔で答えた。

その後、女性は、無事、家族のもとに戻ったが、田村さんが女性を保護したのは、自宅から、およそ3キロ離れた場所だったそうだ。日角毅・匝瑳警察署長から感謝状を受け取った田村さんは「小学校の頃から地域の方達に見守られてきたので、高校生になってお返しできてとても嬉しいです。将来は看護系に進もうと思っていて、人助けできた今のこの気持ちを繋げていけたらいいなと思います」と笑顔で話した。

また、地元の“仲良し6人組”の男子高校生にも感謝状が贈られた。高校1年生の熱田賢哉さん(16)、神永輪さん(16)、菅谷柊太さん(15)、鈴木琉生さん(15)、髙知尾啓心さん(15)、堤春斗さん(15)は、今月16日午後2時半ごろ、炎天下の公園でいつものように6人でバスケットボールをしていた。

すると、路上をフラつきながら歩いてきた高齢男性(70代)が突然、路上に座り込み動かなくなったという。6人が駆け寄り話しかけると、男性は「コンビニに行きたい」と話したという。6人は交代しながら肩を貸したり、手を引きながらコンビニを目指したが、男性が途中で歩けなくなってしまった。

持ち前のチームワークで高齢男性を助けた男子高校生6人にも感謝状が贈られた。
持ち前のチームワークで高齢男性を助けた男子高校生6人にも感謝状が贈られた。

そこで6人は、持ち前の“チームワーク”で男性を担ぎ、日陰のベンチに座らせて介抱しながら110番通報。男性は駆けつけた警察官によって保護され、無事だった。

6人は小学生からの地元の同級生。よく公園でバスケやバレーをして遊ぶ仲だという。代表して取材に応じた熱田さんは「抜群のチームワークが活かすことが出来た」とご満悦。今の気持ちを問われると「とにかく嬉しいです。こんなものもらっていいのかな」と受け取った賞状を何度も見返した。

仲良し6人組は、24日午後3時から行われた感謝状贈呈式の直前まで、やはりバスケをして遊んでいたということで、汗だくで元気に警察署に駆け込んできていた。

(フジテレビ社会部・千葉県警担当 風巻隼郎)

社会部
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今、起きている事件、事故から社会問題まで、幅広い分野に渡って、正確かつ分かりやすく、時に深く掘り下げ、読者に伝えることをモットーとしております。
事件、事故、裁判から、医療、年金、運輸・交通・国土、教育、科学、宇宙、災害・防災など、幅広い分野をフォロー。天皇陛下など皇室の動向、都政から首都圏自治体の行政も担当。社会問題、調査報道については、分野の垣根を越えて取材に取り組んでいます。

風巻隼郎
風巻隼郎

1996年新潟県出身。
社会部で、司法クラブ検察担当、コロナ取材班、千葉県警を担当。
現在は、警視庁捜査二課・暴対課を担当。