8月4日と5日の記録的大雨で、福井県内の各地は甚大な被害に見舞われた。南越前町今庄(いまじょう)には被災当初から多くの報道陣が入り、全国に発信された。
しかし今庄以外にも、もう1つ大きな被害を受けた集落がある。河野(こうの)地区だ。だがボランティアがほとんど入らず、復旧は遅々として進んでいない。
その要因の1つは、私たち報道にあった。

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「報道しないから!」忘れ去られた被災地

南越前町
南越前町

海沿いに位置する、南越前町の河野地区。8月5日、大雨で大きな被害を受けた。
河野地区の中でも「赤萩」は、33世帯のうち半分以上が床上浸水などの被害を受け、4日間、断水が続いた。

ただ、その実態を知る人はほとんどいない。

浸水被害を受けた赤萩の住民:
おたくらが早く報道しないからあかんのや!今庄ばっかり報道して!

浸水被害を受けた赤萩の住民:
同じ災害やのに…なんで今庄ばっかり取り上げられて、ほんまに悲しかった

連日、多くのマスコミが訪れる今庄と同じ南越前町にあるにも関わらず、取材されることはほとんどなかった。そのためか、赤萩に訪れたボランティアは今庄の10分の1程度だという。

区長の小角譲(こすみ・ゆずる)さんは「赤荻の現状をしっかり伝えて欲しい」と、私たちを集落に案内した。

浸水被害を受けた赤萩の小角譲 区長:
ここが一番ひどいところ。こんなところ(住宅地)まで土砂が流れ込んで、川になっていた。ここに人が立っていたら埋まっていた

記者:
すごい状況ですね

浸水被害を受けた赤萩の小角譲 区長:
そうでしょ 全然マスコミには報道されていなかったが、こんな状況だった

河野川が氾濫 地区に大きな被害

5日の午前8時頃、赤荻地区を流れる河野川が氾濫した。濁流が集落へ流れ込み、12軒が床上浸水、1軒が倒壊。水が引いた後も、土砂や瓦礫が2メートル近く堆積した。

しかし、自衛隊や自治体の支援はほとんどなかった。住民たちは、自分たちの力だけでの復旧作業を余儀なくされた。取材に訪れたこの日も、黙々と作業を続けていた。

浸水被害を受けた赤萩の小角譲 区長:
自治体にやってもらうと思っても間に合わないので、自分たちで先行してやっています。
でも区民のことを考えると、そういう風に格差が出てくると自分たちへのモチベーションが下がるというか…やろうかという時になんであそこだけ、うちもこんな被害を受けているのにってなる。区民のことを考えると公平にしてもらえたらと思う

(福井テレビ)