車で横断歩道を走行した際、警察官に交通違反を告げられた男性。しかし警察が先日、この交通違反を撤回するという出来事がありました。

一体、なぜなのでしょうか。めざまし8は、車を運転していた男性を取材しました。

“お先にどうぞ”されても歩行者妨害違反?「納得いかない」

運転をしていた男性:
もうなんかモヤモヤしていて、なんでこれが違反なんだって、ちょっと気持ち的に本当に納得いかなくて

そう話すのは2022年6月、東京・足立区の駅前ロータリーにある横断歩道を走行した際、警察官から「歩行者妨害」と違反を告げられた男性です。

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その際のドライブレコーダーの映像には、男性の運転する車が、信号のない横断歩道にさしかかりますが、歩行者が来たため横断歩道の手前で停止する様子が映っています。しかし、左から来た歩行者は、「お先にどうぞ」というような合図をしています。

運転手の男性は少し戸惑うものの、慎重に車を発進。一見、人と車が譲り合う、何でもない風景に見えます。

しかしこの後、車が止まったタイミングで警察から声をかけられ、「歩行者妨害違反」と告げられたといいます。
そして、男性と警察官の次のようなやりとりが…

運転をしていた男性:
そんな理不尽なこと言われちゃったら

警察官:
(譲られた)事実があったにしろなかったにしろ行っちゃったら違反です

運転をしていた男性:
その人が「私が譲りました」と言っても違反なんですか?

警察官:
もし言ったとしても違反です

運転をしていた男性は「えー、何が違反なの?」と思ったといいます。

歩行者に道を譲られ「通行の妨げ」…解釈には無理がある

結局、「歩行者妨害」の違反となり、納得のいかなかった男性は弁護士に相談。

男性の相談を受けた 藤吉修崇 弁護士:
ドラレコを見たら、かなり安全運転をしていて、一時停止も充分に距離を取った上でしっかりと停止をしていて、明らかに譲られているというような状況の中で、これはちょっと対応として理不尽だなと思い…

藤吉弁護士によると、道路交通法では、横断歩道に歩行者等がいる時や横断しようとしているときは、「直前で一時停止をすること」と「歩行者の通行を妨げないこと」が求められているといいます。

しかし、歩行者に道を譲られ発進した場合、「通行を妨げた」と解釈するのは無理があるというのです。

警察が処分を撤回

そこで、藤吉弁護士は警察署長宛てに、ドライブレコーダーの映像と文書を送付。

藤吉弁護士によると、約1週間後、警察は男性の「歩行者妨害」の処分を撤回。今回の件について男性に謝罪し、今後は現場の警察官への指導を徹底すると話したそうです。

運転をしていた男性:
私みたいに、こういう理不尽な違反で切られるのが少なくなればいいなと思います

(めざまし8「#NewsTag」8月3日放送)