子どもから大人まで幅広い世代に愛されるギョーザ。実は今、鹿児島のギョーザ界がとってもアツい。その盛り上がりや鹿児島のギョーザが秘める可能性を取材した。

「鹿児島こそギョーザを作るのに最適」

6月24日、ギョーザのかぶり物を被った人たちが鹿児島県庁の塩田知事のもとを訪れた。

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鹿児島県 塩田康一知事:
レモンが入ってるの?ギョーザの中に!? こっちはニンニク?

彼らは2022年4月に発足した「鹿児島ぎょうざ協議会」のメンバー。鹿児島県内の事業者20社が加盟し、イベントやPR活動を行っている。

この日集まったのは、鹿児島ぎょうざ協議会の6人の役員。ギョーザの製造・販売業や飲食店経営者など多種多様だが、ギョーザを愛する気持ちは同じ。

協議会役員 寺師大策さん:
複数でやることで、1社だったら全然できないことができることが強み。鹿児島の中小企業が協力して頑張っていこうとなるのは、協議会ができた目的のひとつだし、いいこと

協議会役員 川原健司さん:
使える素材がふんだんにあるのが鹿児島。鹿児島こそギョーザを作るのに一番最適なんじゃないかと思っている

なぜ今、鹿児島のギョーザ界が盛り上がっているのか。

ギョーザの1世帯あたりの支出金額のランキングを見ると、2021年は8位だった鹿児島市だが、2022年の速報値ではなんと4位に浮上。3位の静岡県浜松市に277円差まで迫っている。

このようにギョーザ熱が盛り上がりつつある中、県内各地ではオリジナルギョーザの開発が進んでいる。

豊富な県産食材 ユニークなギョーザ続々

鹿児島県北部、熊本と県境を接する伊佐市のブルーベリー農園は、今がまさに収穫シーズン。実は、この甘いブルーベリーを使ったギョーザが7月に誕生した。

デザートのようなギョーザかと思いきや、豚肉、ニラ、ニンニクなどの定番の具材にブルーベリーを加えたおかずギョーザだ。

作ろうと思ったきっかけは?

伊佐ブルーベリー摘み取り農園 村中裕子さん:
ギョーザがすごく県全体で一生懸命なので、伊佐からみんながびっくりするようなギョーザを作ったら、どんな反応があるだろうという気持ちで作った

つけダレも、ブルーベリージュースと黒酢を混ぜた特製。鹿児島ならではの食材を使ったギョーザは他にも。

桜島産のレモンを皮ごと丸々使ったレモン餃子に、阿久根などで獲れたタカエビを包んだタカエビ餃子など。県産の素材で様々なギョーザが生まれることを、鹿児島ぎょうざ協議会の山崎代表は「良い傾向」だと話す。

鹿児島ぎょうざ協議会 山崎正明代表:
鹿児島は日本一の食材がたくさん。ただ、なかなか皆さんが知らないところもたくさんある。その素材を使って、おいしいギョーザがたくさんできれば

宮崎市もエール ”ギョーザ県”の王者へ

2021年のギョーザの支出ランキングで、宇都宮市や浜松市を抑えて1位に輝いたのはお隣・宮崎市。ギョーザの街としての発信を強化したことが結果につながったという。

宮崎市ぎょうざ協議会 渡辺愛香会長:
第一次産業の底上げを掲げて活動を始めた。農生産者のみなさんや作り手の私たち、消費者の市民が三位一体となってできる活動は、意味があると思っています

そんな王者、宮崎市の協議会は、鹿児島のギョーザ界の盛り上がりを歓迎している。

宮崎市ぎょうざ協議会 渡辺愛香会長:
隣県の鹿児島の皆さんの盛り上がりは私たちにもすごく力になるし、良い活動だと思っている。一緒に頑張りたい

身近なライバルから学びつつ、鹿児島ぎょうざ協議会が目指すのは、支出金額ランキング全国1位。

鹿児島ぎょうざ協議会 山崎正明代表:
うちは8位からなので、宮崎が一緒にと言っていただけるのであれば本当に一緒に頑張りたい。ただ、ゴールの寸前ではちょっとだけ前に出させてもらおうかなと(笑)。チーム鹿児島として、コロナ禍で暗い話が多いが、それを払拭して挑戦していきたい

盛り上がりをみせる鹿児島のギョーザ界。その名を全国にとどろかす日も遠くないかもしれない。

(鹿児島テレビ)

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