能登にキリコの乱舞が戻ってきた。7月8日と9日、石川・能登町では3年ぶりに「あばれ祭」が開かれ、港町は熱気に包まれた。能登に夏の始まりを告げ、日本遺産でもある「能登のキリコ祭」の中でも、もっとも勇壮とされるこの「あばれ祭」に密着した。

能登のキリコ祭の中で“最も勇壮”な「あばれ祭」

火の粉を浴びながら練り歩く40基あまりのキリコ。能登のキリコ祭りの幕開けを告げる、能登町宇出津(のとちょう・うしつ)のあばれ祭。

太鼓の音:
どーん、どんどん

350年以上前、疫病を鎮めるために始まったとされる奇祭。高さ7メートル、重さ1トンのキリコが松明の周りを乱舞し、町は祭り一色に染まった。

あばれ祭運営改善協議会 小浦肇会長:
最高!鉦(かね)と太鼓の音、そして松明の炎。これでもう、めらめらと燃えてきますね。


あばれ祭の開催は「3年ぶり」
7月7日、祭の前日。

準備する人たち:
ほんでいいよ、ほんでいいよ、ちょっと一回しめて

あばれ祭りが開かれるのは3年ぶり。2020年、2021年は新型コロナの感染拡大を防ぐため中止されたからだ。2022年は担ぎ手のリストを作り、検温を行うなどして開催にこぎつけた。

みこしを担ぐ子供たち:
イヤサカヤッサイ!サカヤッサイ!

7月6日には、子供がキリコを担ぐ祭も開催。子供たちにとっても久々のお祭りだ。
子供たち:
楽しいです
カメラマン:
祭りは好き?
子供たち:
大好き!

あばれ祭「2日目」 祭はクライマックスへ
7月9日。あばれ祭2日目。

みこしの担ぎ手:
チョウサチョウサ…

担ぎ手たちが地面に叩きつけているのは、「あばれ神輿」とも呼ばれる「おみこし」。荒々しさを好むとされる神様を喜ばせるため、暴れながら疫病退散を願うのだ。



みこしは川の中に投げ込まれ、祭りはクライマックスに。若者からお年寄りまでが熱狂した。



あばれ祭運営改善協議会 小浦肇会長:
本当にやってよかった。(あばれ祭を)やれて良かったと思っています。また明日から指折り、あと364日って数えて、祭りを軸に動いていきますので頑張ります

あばれ祭は地域の高齢化が進み、キリコやみこしの担ぎ手をどう確保していくかが課題だった。

2022年は3年ぶりということで、大勢の若者が地元に戻ってきたそうだ。
新型コロナによる祭の休止は、若い世代にとっても、祭りの大切さを見つめ直す機会にもなったようだ。
(石川テレビ)