コンセプトは「飲めない人も楽しめる」。アルコール度数を選べるバーが登場した。

好きな度数をモバイルオーダー

アサヒビールなどが出資する運営会社が、東京・渋谷センター街に30日にオープンする「SUMADORI-BAR SHIBUYA」。

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お酒を飲めない人、飲まない人にも楽しんでもらおうという、こちらのバーの注文方法はちょっと変わっている。

モバイルオーダーで、アルコール度数を0%、0.5%、3%から自分好みにチョイス。それぞれの度数を飲み比べることもできる。

ドリンクメニューは100種類以上あり、体調や体質に合わせた飲み方ができるとしている。

スマドリ・梶浦瑞穂社長:
このバーはお酒を飲めない方が主役。“気を使われるのが一番気を使う”と、飲めない方は言っている。自分の好きな度数を人に見られずにオーダーできる。

モバイルオーダーのデータをもとに、お酒を飲まない人向けのメニュー開発などを進め、飲み方の多様性を広げていきたい考えだ。

「スマートドリンキング」の時代

三田友梨佳キャスター:
一橋大学ビジネススクール准教授の鈴木智子さんに聞きます。
お酒を飲まない人も楽しめるバーですが、マーケティングや消費者行動を研究されている鈴木さんの目にはどう映りましたか?

一橋大学ビジネススクール准教授・鈴木智子さん:
これまでビール会社は「ビール好き」あるいは「最初の一杯はとりあえずビール」という顧客によって支えられてきました。それが消費者の好みの多様化などにより、ビール市場は17年連続で前の年を下回っています。

そこでビール会社は、顧客に提供する価値を改めて見つめ直す必要に迫られました。そして、お酒に酔うのではなく「お酒の雰囲気」に酔ってもらうと新たな成長が図れると気づいたのではないでしょうか。

三田キャスター:
「お酒の雰囲気」に酔うとはどういうことですか?

一橋大学ビジネススクール准教授・鈴木智子さん:
ビールという商品の価値を喉に流し込んだ時の「美味しさ」や「爽快さ」とすると、顧客は「ビール好き」に限られてしまいますが、お酒には飲みニケ―ションという言葉があるように人間関係の潤滑油としての役割も果たしてきました。

みんなでワイワイと楽しむお酒の文化は、今でも多くの人を引きつける価値があります。そこで今回の試みのように、アルコールの度数に幅をもたせ、ドリンクの選択肢を広げるとお酒が飲める人も飲めない人も、そしてあえて飲まない人も、みんな一緒になって「お酒の雰囲気」を楽しめるようになります。

すると顧客の層に厚みが生まれ、新たな成長を図ることが可能になります。

三田キャスター:
確かに、体質的にアルコールが苦手な方も含めて、みんなで「お酒の雰囲気」に酔うことが出来ると楽しそうですね。

一橋大学ビジネススクール准教授・鈴木智子さん:
いま「スマートドリンキング」は酒類メーカーにとって重要なキーワードとなりつつあります。

例えば、世界No.1のビール会社であるアンハイザー・ブッシュ・インベブも、スマートドリンキングを戦略的イニシアティブの一つとして掲げていて、その核には「ビールとの出会いはすべてポジティブであるべき」という信念があります。

お酒の歴史をたどっていくと人類のはじまりと重なるとされています。今の時代に合ったお酒とのつきあい方を創造し続けることで、お酒の文化が未来へつながることを期待したいです。

三田キャスター:
人それぞれの体質や価値観、そのときの事情などが尊重されることで、飲み会に行きやすくなるという方も増えるかもしれません。お酒の楽しみ方も多様性の時代と言えそうです。

(「Live News α」6月29日放送)

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