痴漢や盗撮被害の防止に向け、鹿児島県警がJR鹿児島中央駅のエスカレーター横に特殊なミラーを設置した。この取り組みは、犯罪者に周囲の目を意識させることで抑止効果を狙ったもので、利用者からは「安心感が違う」との声が聞かれている。
広範囲映すミラーで犯罪抑止を期待
鹿児島市のJR鹿児島中央駅東口では、杉谷昌紀駅長と鹿児島西警察署の重田克久刑事官がエスカレーター横にミラーを設置する作業を行った。

設置されたミラーは縦33センチ、横23センチのサイズで、一般的な鏡よりも広い範囲を映すことができる仕様となっている。このミラーにより、痴漢や盗撮をしようとする人に周囲の目を意識させ、犯罪の抑止効果が期待されている。

県警によると、2025年には痴漢60件、盗撮109件の相談が寄せられており、エスカレーターでの被害も多いという深刻な状況が続いている。こうした現状を受け、物理的な対策として今回のミラー設置に踏み切った。
駅構内5箇所に設置完了
JR鹿児島中央駅には3月10日までに、今回の東口エスカレーターを含め、駅の西口や改札の中にあるエスカレーターなど合わせて5箇所にミラーが設置された。駅構内の主要な移動経路をカバーする配置となっている。
利用者からは好評の声
実際にエスカレーターを利用する人々からは、このミラー設置について好意的な反応が寄せられている。
「安心感が違う」「振り向かなくても分かるから良い」「直で後ろ振り向くと警戒しているのが分かりやすいので(鏡が)あれば良い」といった声が利用者から聞かれ、心理的な安心感の向上に一定の効果を示している様子がうかがえる。
警察は市民の協力も呼びかけ
県警本部生活安全企画課の大園聡嗣課長補佐は「周囲に気を配って油断しないこと。目撃された方には警察や周りに知らせてほしい。『犯罪できない』という抑止力につながれば」と述べ、ミラー設置とあわせて市民の協力も求めている。
ハード面での対策と市民の意識向上を組み合わせることで、より効果的な犯罪防止を目指す姿勢を示している。

九州各地で広がる同様の取り組み
こうしたミラーを使った犯罪抑止の取り組みは、九州地方で広がりを見せている。福岡のJR博多駅や繁華街・天神にある西鉄福岡駅にも同様のミラーが導入されており、地域を超えた防犯対策として定着しつつある。
今回の鹿児島中央駅での設置により、九州の主要駅での防犯体制がさらに強化されることとなった。小さなミラー一つではあるが、利用者の安心感向上と犯罪抑止の両面で効果を発揮することが期待されている。
(動画で見る▶痴漢60件・盗撮109件の実態に対応 鹿児島中央駅が導入した“見える化”対策とは)
