日本中が沸いたあの熱狂から、約1年。東京オリンピックで銀メダルを獲得した女子バスケットボール日本代表は、次の目標に向かって突き進んでいる。
その目標とは「パリオリンピックで金メダルを獲得すること」チームを率いる恩塚亨ヘッドコーチは、「金メダルを獲るために」から全てを発想する、と話している。
2024年に世界の頂点へ上り詰めるべく、彼女たちの戦いはすでに始まっているのだ。
トルコとの強化試合は2連勝!脅威のディフェンス力に会場が沸いた
6月18日(土)と19日(日)の2日間、千葉ポートアリーナで「三井不動産カップ2022千葉大会」が行われた。9月にオーストラリアのシドニーで開幕するワールドカップへ向けた強化試合ともなり、注目が集まる試合となった。
FIBAランキング8位の日本に対し、この大会の相手は9位のトルコ。今回の試合は若手のメンバーで臨んだトルコだったが、2メートル5センチの選手を擁し、平均身長は183.3センチと、日本の175.7センチを約8センチ上回った。
18日のGAME1は、立ち上がりから日本がエナジー全開のディフェンスで主導権を握る。トルコはその勢いに圧倒され、終始日本がペースを掴む展開に。
![この大会でMVPを獲得したオコエ桃仁花選手(C)JBA](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/f/2/700mw/img_f27fa78da60660ba820819793fc7e528564989.jpg)
日本は第1クォーターで、この大会でMVPを獲得したオコエ桃仁花選手が15点を奪取。登録メンバー15人全員が出場し、各々の持ち味をコートで発揮した。この試合日本は激しいディフェンスからトルコのミスを誘い、25個のターンオーバーを誘う。最終スコアは77-49で快勝した。
19日のGAME2は前日の試合からしっかり修正してきたトルコがGAME1のような流れにさせず、日本も停滞した時間が出る。
しかし第2クォーターから徐々に追い上げを見せ、39-23で前半が終了。やはりこの試合も、停滞した時間を打開したのはディフェンスだった。後半は若手選手や初の代表招集となった選手も伸び伸びと躍動し、83-57で強化試合2連勝を飾った。
フレッシュな面々も…ニューヒロイン誕生に注目
今回選ばれた日本代表候補15人のなかで、初めてのA代表候補となったのは5人。東京オリンピックを経験した選手に加え、フレッシュな面々が揃った。
![約1年ぶりの代表戦となった安間志織選手(C)JBA](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/d/2/700mw/img_d20e04dc81da1ebda0c1f9eaa3309640512450.jpg)
この2試合でスターターを務めたのは安間志織選手、髙田真希選手、東藤なな子選手、赤穂ひまわり選手、オコエ桃仁花選手の5人。
![日本の大黒柱・髙田真希選手(C)JBA](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/0/7/700mw/img_078525e9a072a4683514a8f74de77cae484432.jpg)
![両試合ともスターターとなった東藤なな子選手(C)JBA](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/9/e/700mw/img_9e209d34cec6efef19e4f645cd80e92178371.jpg)
日本の大黒柱・髙田選手に、約1年ぶりの代表戦となった安間選手、東京オリンピックも経験した注目の若手3人という構成になった。
![今注目の若手・赤穂ひまわり選手(C)JBA](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/0/1/700mw/img_0196115255af83a82715f614dd2a9ecc622406.jpg)
また、ベンチからは経験豊富な宮澤夕貴選手、U19ワールドカップ代表でもある平下愛佳選手、昨季Wリーグでルーキーオブザイヤーを獲得した𠮷田舞衣選手などが登場し、選手層の厚さも感じさせた。
![現役大学生の朝比奈あずさ選手(C)JBA](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/2/1/700mw/img_21bfd00053822d88da74c72072ee8a9e72778.jpg)
さらには、現役大学生の朝比奈あずさ選手、江村優有選手など、期待の若手も控えている。ワールドカップへ臨む最終選考メンバーも非常に気になるところだ。
![同じく大学生の江村優有選手(C)JBA](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/7/c/700mw/img_7c7941768e23c4238bd6ac9d658d9595490726.jpg)
恩塚JAPANが見据える女子バスケのこの先
恩塚JAPANが始動し、「世界一のアジリティ」を遂行すべく日々研鑽してきた。
他者に絶対負けない強みであるこのアジリティを次々に発揮し、どんな状況にも対応し、相手にカウンターを入れるスタイルである「COUNTER BASKETBALL」をテーマに掲げ、さらなる高みを目指す。
![「COUNTER BASKETBALL」をテーマに掲げる恩塚亨HC(C)JBA](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/8/3/700mw/img_8345e10e0ed756f6bb1eba7644f2c0b5103604.jpg)
8月には仙台での国際強化試合が予定されていて、対戦相手はまだ未定だが、翌月に控えたワールドカップに向けて非常に重要な試合となる。
ワールドカップへは14回目の出場となる女子日本代表。前回大会の18年スペイン大会は、中国に敗れベスト8進出を逃している。「パリで金」へ向けて、このワールドカップの持つ意味を今一度確認しておきたい。
今回の強化試合のGAME1、会場となった千葉ポートアリーナには4,418人が詰めかけ、女子日本代表の試合の最多入場者数を更新した。
ますます注目と期待が高まるなかで2連勝を飾った選手たちに、会場からは割れんばかりの拍手が送られた。コートを躍動する背中、美しい3ポイントの軌跡、ベンチで弾ける笑顔、そのどれもが恩塚JAPANが掲げる「ワクワクの連続」で、我々を魅了してやまない。彼女たちはこの勢いのまま、次のステージへ駆け上がってゆくはずだ。
【画像:(C)JBA】