力尽きた様子で横たわり、目の前で立ち塞がるうさぎを見つめる猫と犬。一体何があったのだろうか。

「ウサによる寝室入国管理が厳しすぎて力尽きてる犬猫コンビ」とのコメントと共にTwitterに投稿された写真に映る3匹の様子だ。

提供:和泉ユタカさん
提供:和泉ユタカさん
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コメントから推測すると、うさぎの後ろに寝室があるのだが、猫と犬は入れてもらえなくて、このような姿になったということだろうか。まるで「早く入れてよ」と言っているかのように、同じポーズで見つめる眼差しには、どこか力がないようにも見える。

なお、この厳しく入室管理をしているうさぎが、あやめちゃん(メス・6歳)。寝室に入れない猫がアルバートくん(オス・11カ月)で、一緒に力尽きている犬がアルフレッドくん(オス・5歳)だ。

提供:和泉ユタカさん
提供:和泉ユタカさん

投稿したのは、飼い主の和泉ユタカさん(@IzuYuta)。Twitterユーザーからは「見事なシンクロ!」「あやめ管理官厳しいし…… 」「入国管理官強すぎる」というコメントが寄せられていた。

無理に入ろうとすると、うさぎが頭突き

アルバートくんとアルフレッドくんの力尽きている様子を見ると、何とかして入ろうと挑戦した末ということだろうか? また、どうしてあやめちゃんの“入室管理”は厳しいのだろうか?

和泉ユタカさんに話を聞いた。


ーー投稿の状況を詳しく教えて

我が家のうさぎは、ケージなしの完全な放し飼いなのですが、子うさぎの頃から夜は必ず飼い主と一緒に寝ています。飼い主が歯を磨き始めると「寝る時間やな!」と察して先にベッドに入って待っているのですが、2021年の秋に猫を飼い始めてから、猫がベッドに登ってくると怒って追い出していました。

更に2022年の春先に犬が加わると、彼らが寝室に入ってこないように入り口で待ち構えて「入室管理」するようになりました。寝室に入りたい犬猫と入らせたくないうさぎの戦いは毎晩飽くことなく繰り広げられています。

寝室に入りたいけど入れない(提供:和泉ユタカさん)
寝室に入りたいけど入れない(提供:和泉ユタカさん)

ーー入室管理中、猫と犬はどうしている?

犬猫はただひたすら寝室を覗き込み、「行きたいけどうさぎが怖いしなぁ」とうさぎに隙ができるのを忍耐強く長期戦の構えで待っています。ちなみに無理に入ろうとするとうさぎの頭突きを喰らいます。


ーーどのくらい続くの?

毎晩小1時間はこの状態です。

違う日にも入室管理(提供:和泉ユタカさん)
違う日にも入室管理(提供:和泉ユタカさん)

ーー厳しい入室管理を見て、どう思う?

犬猫には申し訳ないけれど、我が家の先住者はうさぎなので仕方ないかなぁと。あとは、まぁうさぎの飼い主に対する独占欲を感じて、嬉しくないと言えば嘘になりますね(笑)。

うさぎ「生物界ピラミッドの頂点に立っている」

ーー3匹について教えて

犬:アルフレッド、通称犬アル。ダックスフントの雑種。
私はアメリカで小動物の脳神経外科医をしているので、脊椎の病気で下半身麻痺したために病院に遺棄された子を引き取って、手術しました。とても優しくお行儀の良い子ですが、かなり臆病な一面もあります。最近発見したアルくんの好きな場所は海。ずぶ濡れになっても平気で波に突っ込んで遊んでいました。

猫:アルバート(アルバート・アインシュタインより)、通称猫アル。
野良の子猫を拾って育てました。アルバートはおおらかでのんびりとした性格で、ネズミのおもちゃで犬のように「取ってこい」をするのが得意です。

うさぎ:あやめ、通称あやたん。ホーランドロップ。
性格は社交的で好奇心旺盛、非常に賢く、運動神経抜群、そしてとにかく強い!(笑)子うさぎの頃から私の職場に入り浸っていたせいか、全く犬猫を恐れないばかりか、何故か自分が生物界ピラミッドの頂点に立っていると信じ切ったうさぎとして完成しました。好きなものはバナナとヤナギです。

入室管理中(提供:和泉ユタカさん)
入室管理中(提供:和泉ユタカさん)

ーー仲が悪いわけではない?

3匹は決して仲が悪いわけではありません。猫アルくんと犬アルくんはとても仲良しで、オヤツを分け合って食べたり、2匹で並んで昼寝していることも。あやたんと猫アルくんも実は意外に仲良しです。猫があやたんの食べているヤナギを盗んだり、ベッドに登ったりしない限りは平和です。

我が家の生物ピラミッドの頂点に君臨するのはあやたんなので、犬猫が「飼い主が寝るベッドはあやたんのモノ」等の「ウサルール」を守っている限りは平和です。


ーー普段の様子を教えて

あやたんは、たまに猫の耳に顎を擦り付けているのですが、これは顎の臭腺の匂いをつけてテリトリーを主張するうさぎ独特の行動で、自分のお気に入りのオモチャや飼い主などに対して顎スリすることもあります。生き物に対して顎スリするのは自分よりも下に見ている証拠…とも言われますが、とりあえずあやたんにとって猫アルくんは、やや見下しつつも「コレあやたんの!」と主張するくらいには存在を認めているモノのようです。

猫アルくんはあやたんをリスペクトしていて怒られると逃げますが、「なんだかんだ言って本気で殺されたりはしない」と知っているらしく、あやたんが近づいてもお腹を見せて遊びに誘ったりしています。

アルバートくんとあやめちゃん(提供:和泉ユタカさん)
アルバートくんとあやめちゃん(提供:和泉ユタカさん)

犬アルくんは、我が家に来るまでうさぎなど見たこともなかったと思いますが、来たばかりの頃にあやたんのお皿の匂いを嗅ごうとして頭突きされたり、手術直後でヨタヨタしている時に足にタックルされて転がされたりした為、「なんだかよく分からないけど、あの小さいイキモノはとても恐ろしい」と学んだようです。

あやたんは、初めは犬アルくんを「ヨソモノ」としていじめていましたが、1カ月くらいで「一応家族」と認めたらしく、最近はよく顎スリして自分のモノ宣言しています。

アルフレッドくんとあやめちゃん(提供:和泉ユタカさん)
アルフレッドくんとあやめちゃん(提供:和泉ユタカさん)

ーーその後、2匹は寝室に入れたの?

結局、犬猫は諦めてリビングルームに退散。夜中にあやたんが寝付いてからこっそり忍足で寝室に入ってきて、ベッドの足元で寝ていました。

 

先輩のうさぎを頂点とする3匹の関係。最近も「猫、ウサをリスペクトし過ぎて自己を見失ってる」とのコメント付きで、リスペクトするうさぎのあやめちゃんの食べているヤナギがどうしても気になって、猫のアルバートくんが自分でも食べてみるが結局吐き出す、という崇拝ぶりが伝わる動画が話題になっていた。

寝室に入りたい犬猫と入らせたくないうさぎの戦いは毎晩あるとのことなので、今後も続くことだろう。しかし、仲が悪いわけではないとのことなので、これからも3匹の共同生活を楽しんでほしい。

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プライムオンライン編集部
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FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。