相次いだ「政治とカネ」の問題を踏まえ、自民党が党改革の一貫として新たに策定した組織統治の指針「ガバナンス・コード」が5月31日、了承された。外部の有識者を加えた「ガバナンス委員会」の設置や女性議員育成に関する計画の策定、党所属議員へのコンプライアンス研修を行うことなどが盛り込まれた。

更に「オンライン党員申込み」や「総裁選のオンライン化」も盛り込まれ、DX化(デジタルトランスフォーメーション)が推進されることとなった。8年以上前から党員申し込みのオンライン化を主張し、今回策定に関わった平将明衆院議員に「なぜ実現にこんなに時間がかかったのか」話を聞いた。

総裁選のオンライン投票も明記

現在、自民党に入党する際は、「入党申込書」に署名やハンコなどを押した上で、党費を添えて最寄りの県連支部に提出することになっていて、若い世代を中心に党員獲得のハードルになっているとの指摘があった。

また、自民党の総裁選で党員投票する場合は、投票はがきを居住地の都道府県連に郵送するか、投票所に出向いて直接投票することになっている。しかし、今回の「ガバナンス・コード」の策定により、DX化を率先して進めることが「指針」として正式に記された。

党改革実行本部のメンバーとして、自民党のDX化に取り組む平議員は、2013年から党員申込みのオンライン化を訴えてきた。DX化の実現になぜこれほど時間がかかったのか、平氏に聞いた。

Q.2013年から主張し続けたが、実現になぜこんなに時間がかかったのか
平将明衆院議員:自民党内で自分の言っている意味が理解されず、共感が広がらなかったからです。自民党としても、地域をまわって党員を更新する際には、党員の方と対面で会いながら、書類を書いてもらうことも、「足腰として大事だ」という思いを先輩議員が強く持っていたんです。

取材に応じる平将明衆院議員
取材に応じる平将明衆院議員
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平将明衆院議員:今、ほとんどの世代は、スマートフォンを使う時間が長いので、デジタルで完結できる道を作ることは大事です。対面じゃないと自民党に入れないというのは、(党員獲得の)バリアだと思うんです。「デジタル完結」で党員になれることが、今まで自民党にアクセスして来なかった人にとって、道を開くことに繋がるので、国民政党であり続ける自民党としては不可欠だと主張してきたのですが、なかなかそれを広める伝える機会がなかったんですよね。

二階元幹事長「足で稼ぐもの」

Q.岸田首相が総裁選で党改革を打ち出したことが大きいのか
平将明衆院議員:それは大きいですね。この入党手続きのオンライン化の仕組み自体は、菅内閣の2021年の頃から出来ていました。2021年の秋頃、二階元幹事長に、オンライン入会の提案をしたら、二階元幹事長から「(党員獲得は)そんな甘いもんじゃない。足で稼ぐもんだ」と一蹴されました。岸田政権になったので、もう一度、党改革の文脈で実現しようということにしたんです。

Q.総裁選の投票も「オンラインを可能とするよう体制整備を進める」と明記した。どんな総裁選のあり方を目指すべきか
平将明衆院議員:ゆくゆくは、議員も党員もスマホでその場で投票できるようにしたいですね。本人確認が必要なので、マイナンバーカードを活用するなどの整備も必要だと思います。これについても、今私が取り組んでいる「Web3.0(次世代型インターネット)」を活用したいです。将来的には、「DAO(自律分散型組織)」がある党員証としてのNFT(非代替性トークン:ブロックチェーン技術を使い、替えが効かない唯一無二のものと証明されたデジタル資産)を発行して、そこから投票する仕組みを作っていくことも可能です。実現には5年から10年はかかるでしょう。総裁選は、事実上の総理を決める最も大事な選挙ですから、どう進めるかも丁寧なコンセンサスを得ながら行っていきます。

Q.投票率の低い若者にも関心をもってもらえるか
平将明衆院議員:事実上の総理を自分の1票で選べるのは嬉しくないですか。でも、これまでは党員になるには、対面・書面でしか方法がなかった。これをネットや新しい技術で出来たらもっと開かれた総裁選になり、政治関心を高めるきっかけになればいいなと思っています。

社会でDX化が進む中、政治だけが遅れるわけにはいかない。同時にDX化で、取り残される人への配慮も必要だ。今後どのように実現していくのか、丁寧な実行力が問われている。

(フジテレビ政治部・自民党担当 阿部桃子)