衆院選で自民の女性新人議員はゼロ 

「空気感をそろそろ変えたい」 

自民党の女性議員は現状からの脱却をこう訴える。 女性議員を増やしたいが、現実を見ると増えないー。何年も同じ状況が続いている。 

2021年10月の衆議院選挙後に自民党本部で行われた両院議員総会。初当選した議員が紹介されるのだが、女性議員が増えない現状を象徴する場面だったと言える。 名前を呼ばれた新人議員は、大きな声で返事をし、会場は拍手に包まれたが、紹介された新人議員は約30人。しかし、女性の新人議員は一人もいなかった。 (島尻安伊子氏、髙階恵美子氏は衆院初当選だが参院議員経験者)

男女の候補者をできるだけ同じ数にすることを目指す「候補者男女均等法」が2018年に施行された。法律施行後初めて迎えた21年の衆院選では、男女を同じ数にすることを目標に候補者を選んだはずだったが、女性候補者の割合は17.7%と約0.1ポイント減少する結果となった。 

女性議員の確保目指す動き

「日本が変わらなければならない今こそ、責任政党、そして国民政党を自負する自民党が、自らが変われることを示し日本の国民の信頼を確たるものにしようではありませんか」  

3月13日に行われた自民党大会。岸田首相は党役員の任期を連続3期までとすることや党運営の指針となる「ガバナンスコード」の整備を新たに党則に盛り込んだ。 「ガバナンスコード」とは、「国民に対する透明性と説明責任を担保し、ガバナンスの根幹にある国民の信頼を確保・増進していくためのもの」で、現在具体化に向けた作業が進められている。 この中でカギの一つとなるのが、女性議員の確保をガバナンスコードにどう盛り込むかだ。 

3月25日。ガバナンスコートの策定に向け、自民党は女性議員のみ10数人を集め、党内の女性活躍の取り組みについて意見交換を行った。「ガバナンスコード策定ワーキングチーム」のリーダーを務める上川陽子幹事長代理は、「女性の活躍は、21世紀の自由民主党の変わった姿をみせる、私たちがシンボルの役割を果たす」と強調した。 

上川陽子座長
上川陽子座長
この記事の画像(3枚)

「今まで声を上げられなかった」

会合の中ではどのような議論が行われたのか。 出席者によると、女性に一定の議席を割り振る「クオーター制」の導入を求める意見が相次いだという。また、別の出席議員は「一部の保守的な議員を気にして、今までなかなか声をあげられなかった。こうした空気感をそろそろ変えたい」と訴えたほか、「理想だけじゃダメだ」との声もあがったという。さらに「小選挙区での選挙活動は相当大変。地元の有権者や組織団体との連日の人間関係の構築が当選を左右する。特に、子育て中の女性は難しいだろう」と日本の選挙制度が女性候補者が増えない原因だとの指摘もあった。 

ガバナンスコード策定WT(3月25日)
ガバナンスコード策定WT(3月25日)

また、自民党に入党したある議員は今後女性議員を増やすためには「自民党は地縁や血縁のある議員が多く、自分自身も自民党に入れたのは奇跡。自民党の女性議員の多くは地縁・血縁のある議員なので、たたき上げの女性議員のロールモデルを1人でも増やすことが大事だ」と強調する。 

迫る参院選 どうなる女性候補者 

自民党では、7月に行われる参議院選挙に向けて候補者の公認作業が進められている。 党のガバナンスコードも夏の参院選をめどとして、結論をまとめる方針で、策定をまとめる自民党幹部は、「不可能なことは書けないが、女性の候補者を増やしていくことは必要だ」と改革に意欲を示した。党のガバナンスコードに女性候補者の数値目標が示されるのか、抜本的な改定を期待したい。 

(フジテレビ政治部 自民党担当 阿部桃子 )