東京競馬場にて5週連続で開催中のGⅠレース、第四弾「日本ダービー」が5月29日(日)に行われる。
2019年に生産されたサラブレッド7522頭の3歳馬の頂上決戦で、三冠レース(皐月賞、日本ダービー、菊花賞)の2戦目だ。
今年で第89回を数えるこのレースは、1932年の創設以降、一貫して芝2400メートルで開催されている。
3歳世代の頂点に輝くのは、どの馬だろうか。
1番人気馬が未勝利の2022年GⅠレース。今週は?
今年行われたGⅠレース全9戦で、1番人気馬はまだ一度も勝っていない。
先週の3歳牝馬最強を決める「オークス」も、3番人気のスターズオンアースが1着、2着は10番人気のスタニングローズ、3着は4番人気のナミュールで、1番人気だったサークルオブライフは12着、2番人気のアートハウスも7着だった。
2月20日:GIフェブラリーS・カフェファラオ(2番人気)
3月27日:GI高松宮記念・ナランフレグ(8番人気)
4月3日:GI大阪杯・ポタジェ(8番人気)
4月10日:GI桜花賞・スターズオンアース(7番人気)
4月17日:GI皐月賞・ジオグリフ(5番人気)
5月1日:GI天皇賞(春)・タイトルホルダー(2番人気)
5月8日:GINHKマイルC・ダノンスコーピオン(4番人気)
5月15日:GIヴィクトリアマイル・ソダシ(4番人気)
5月22日:GIオークス・スターズオンアース(3番人気)
全てのホースマンの夢とも言われる日本ダービーで、“1番人気馬”が今年初めてGⅠレースを制するのだろうか。
ここからは、当レースの中心になりそうな「皐月賞」(中山・芝2000メートル)上位馬を紹介し、さらには、先週も“トリガミ”(=馬券は当たっているのに収支は損すること)ながらも、ワイドで的中している元騎手・細江純子さんの注目馬や予想もお届けする!
皐月賞1着 “ジオグリフ” 二冠へ!
4月のGⅠ「皐月賞」を制覇した7枠15番ジオグリフの戦績は5戦3勝。
鞍上は、皐月賞に続きコンビ2戦目となる福永祐一騎手(45)だ。2020年コントレイル・2021年シャフリヤールで、連覇を果たしており、史上初のダービー3連覇に挑む。
これまでダービー連覇を達成したのは福永騎手を含めて3人で、他に1998年スペシャルウィーク・1999年アドマイヤベガで制した武豊騎手(53)と、2007年ウオッカ・2008年ディープスカイの四位洋文元騎手(49)がいる。
ジオグリフは、昨年産駒がデビューした新種牡馬ドレフォン産駒で、その新種牡馬産駒がダービーを勝てば2009年ロジユニヴァース(父ネオユニヴァース)以来、13年ぶり。
そして、2020年コントレイル以来2年ぶり25頭目の皐月賞&ダービーの二冠制覇なるか。
皐月賞2着 “イクイノックス” 二つの雪辱へ!
大外8枠18番イクイノックスは、新馬戦とGⅡ「東京スポーツ杯2歳S」を勝ち、無敗で臨んだ「皐月賞」では2着となり、戦績は3戦2勝。
今回は、皐月賞で初めて敗れた相手・ジオグリフに雪辱を誓い、皐月賞2着の馬がダービーを勝てば2016年マカヒキ以来6年ぶり12頭目となる。
さらに、イクイノックスは、GⅠ7勝を挙げたキタサンブラックの初年度産駒で、ライバルのジオグリフと同じく新種牡馬産駒13年ぶりのダービー制覇を狙う。
父・キタサンブラックは、2015年の菊花賞馬だが、皐月賞は3着、ダービーは14着に敗れた。その父の雪辱を果たすべく、デビューから手綱をとるC.ルメール騎手(43)と共に3歳馬の頂点を目指す。
なお、イクイノックスとジオグリフは、共に美浦の木村哲也調教師の管理馬で、皐月賞に続き、ダービーでもワンツーフィニッシュを狙う。ダービーで同一調教師の管理馬が1・2着を独占すれば、1967年の藤本冨良元調教師以来55年ぶり5回目となる。
また、イクイノックスがダービーを勝利すれば、木村調教師は、2019年の角居勝彦元調教師(皐月賞:サートゥルナーリア、ダービー:ロジャーバローズ)以来、史上2人目の異なる馬での同一年皐月賞&ダービー制覇となる。
皐月賞3着 “ドウデュース” レジェンドと共に…
歴代最多のダービー5勝を挙げている武豊騎手は、4月「皐月賞」で3着だった7枠13番ドウデュースに騎乗予定だ。
ドウデュースは、戦績5戦3勝で、武騎手と共に、新馬戦、「アイビーS」、そしてGⅠ「朝日杯フューチュリティS」を制し2歳で世代最強の称号を手にした。
その後、3歳になりGⅡ「報知杯弥生賞ディープインパクト記念」では2着、GⅠ「皐月賞」3着。
武騎手は、ダービー騎乗回数も歴代最多で、今回が通算33回目。
2013年のキズナ以来、9年ぶり6度目の制覇で、ダービー最多勝記録を伸ばせるかどうか。
なお、今年のダービーは「第89回」だが、過去の“第〇9回ダービー”の結果を見ると、ドウデュースのように皐月賞3着馬は過去8回で3勝を挙げていて、中でも1972年の第39回ダービーでは、武豊騎手の父・武邦彦元騎手が騎乗した皐月賞3着馬ロングエースが勝利を挙げている。
元騎手・細江純子さんの注目馬と予想は!?
3歳世代の頂点を決めるこのレースにおける注目馬を、「みんなのKEIBA」に毎週出演中の、元騎手・細江純子さんに聞いた。
まず気になる本命には、◎6枠12番ダノンベルーガ(3戦2勝 うちGⅢ1勝、皐月賞4着、川田将雅騎手)を挙げた。
「もともとハーツクライ産駒らしく、ユルユルの体でデビューしながら、瞬時に動ける脚力があり、驚きと共に、その能力の高さに魅了されました。そして今回ですが、皐月賞からの体の面での変わり身が大きく、ネジがしまった感じ。間違いなく体は仕上がっています。
しかしその一方で、当日、その究極の仕上げに心がどうでるか、が大きなポイントな気がします。特にキャリア3戦という経験の浅さに加え、これまでにない観客数&スタンド前発走。
とにかくレース前のテンションが重要な気がし、適度に気合いが乗った精神状態であることを願います」
細江さんは、ダノンベルーガの仕上がりを高く評価。精神面が整えば、強さを発揮するということで、本命に推している。
続いて、対抗馬には、〇8枠18番イクイノックスを挙げた。
「見惚れてしまうほどの美しさを持った馬。
当初は、この馬を本命にしようと思っていましたが、前回の皐月賞(2着)における道中のハミ掛かりを見ると、この大外枠は少し心配となり、対抗にしました。
しかしながら、鞍上はルメール騎手ですし、広い東京コースに変わる点はプラスです」
イクイノックスの馬体に惚れこみながら、皐月賞を見て、大外枠をやや不安視している。
そして、細江さんが単穴として、推奨する馬が、▲7枠13番ドウデュース。
「どんな展開であろうとも、それに対応できる賢さと精神的な強さを持っている馬。
コロナ禍でデビューをした、この3歳世代において、今回一番のカギとなるのは、精神力の強さだと思います。
また皐月賞(3着)で見せた追い込みの脚を見ると、侮れなくなりました」
さらに、他に注目している馬を聞いた。
「枠的に魅了されるのが4枠7番オニャンコポン(5戦3勝 うちGⅢ1勝、皐月賞6着、菅原明良騎手)
また、距離延長がプラスに働きそうな6枠11番ジャスティンロック(5戦2勝 うちGⅢ1勝、皐月賞7着、松山弘平騎手)
逃げる可能性大の7枠14番デシエルト(4戦3勝、皐月賞16着、岩田康誠騎手)は、左まわりの方が、折り合いがスムーズゆえ、変わり身があるような気もしています」
細江さんは、競馬中継内のパドック解説など、直前まで馬の様子を見て「イチオシ」を決めて発表する予定。
そのレース前の最新情報や、出演陣による「みんなの夢馬券」コーナーの予想も要チェックだ。
3歳馬、全7522頭の頂点に立つのは、果たしてどの馬なのだろうか。
みんなのKEIBA
日本ダービー・GI
5月29日(日)通常より20分早い14時40分から生中継
https://www.fujitv.co.jp/sports/keiba/index.html