2021年10月、長崎県の焼物の町、東彼杵郡波佐見町に新しい公園が誕生した。
手がけたのは、波佐見焼きの地元メーカー。新しい街のスポットとして今、注目されている。

普通の公園とはひと味違う…バリアフリー空間

入口で出迎えるのは、土偶のようなユニークな置物。ずらりと並んだカラフルな波佐見焼きの先には、芝生が広がっている。波佐見町にオープンした「HIROPPA(ヒロッパ)」だ。

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造ったのは町役場…ではなく、波佐見焼きの地元メーカー「マルヒロ」。企業による私設の公園だ。

マルヒロ社長・馬場匡平さん:
2016年に自分にも子どもができて、一番使うね、公園って。街にないものを造れれば、またひとつ街の魅力が変わるんじゃないのかなと思って、そこで公園を造ったんですけど

敷地面積は約4,000平方メートル。アーティストなどがデザインしたオリジナルの遊具もあって、見慣れた普通の公園とはひと味違う。

テレビ長崎・増田潤一郎記者:
この遊具、私の足元を見てみると大きなハンモックになっていて、子どもたちは飛んだり跳ねたりしながら夢中で遊びそうです

バリアフリーであるうえに、ほとんどが芝生なので、転んでもけがをしにくくなっている。
できるだけ色々な人に来てもらいたい、というのがコンセプトで、訪れた人が自分で遊び方を考えられるような工夫もされている。

テレビ長崎・増田潤一郎記者:
どうして地形に高低差をつけたんですか?

マルヒロ社長・馬場匡平さん:
既製の遊具を設置しないので、わざと地形に高低差をつけている。モノではなく、地形でデザインして、そこで遊びを子どもたちが考えて遊んでくれたらいいねと

裸足で遊んでもOK 焼物の産廃品を細かく研磨

また、使わなくなった陶器を活用して、波佐見町にはないビーチも造った。

マルヒロ社長・馬場匡平さん:
波佐見町は海がない街なので、人工的でも良いので、こういうのを造れればなと思って。ビーチといえば、砂も普通の砂ではなくて、焼物の産廃品を砕いて、砕いて、砕きまくって撒いてる状態です。裸足で遊んでもけがをしないように、細かく研磨もされてる状態。産廃品というのを利活用できるようなことがないかなと、模索の中の1つ

マルヒロ社長・馬場匡平さん
マルヒロ社長・馬場匡平さん

カフェのほか、波佐見焼きのオリジナルブランドをはじめ、コラボ商品や限定品などが一堂に揃ったマルヒロの直営店も併設している。

お気に入りの陶器を探すのもよし、子どもが遊んでいる様子を眺めながらカフェでゆっくり過ごすのもよし、さまざまな楽しみ方ができる。

訪れた女性(福岡出身):
これから赤ちゃんも生まれてくるので、家族連れで来やすいかなと思って、また産まれてから来たいなと思った。ゆっくりできるスポットがあるということは、都会の方からしても魅力だなと思うので、足を運ぶ目的地として、ひとついいスポットになるんじゃないかなと思います

佐賀・唐津市から訪れた2人:
植物とかも普段見ないようなものがいっぱい植えているし、建物もかっこよくて楽しい、癒される。身近になった感じがする。(今までは)陶器市の時ばっかり来るイメージだけど。普段から来やすくなった

古民家改装した多機能空間 陶器まつりの会場も

近くには古民家を改装した多機能空間「OUCHI」や、事務所兼作業場の「KOUBA」もあり、陶器まつりの会場などイベントスペースとしても活用できる。

マルヒロ社長・馬場匡平さん:
公園ありますね、時間つぶそう、コーヒー飲めますね、焼物も食器だけじゃなくて、色んなものを今まで作ってきているので、そういうの見れますねぇ、みたいな場所になれればいいのかな。自分たちがこう、というよりは、暇つぶしに来てもらえればいいなというところではある

敷地には、四季をいつも感じてもらえるように、サクラやモミジなど色々な木々のほか、モモやサクランボ、リンゴなど果物が成る木も植えていて、カフェなどで提供することを考えている。

6月からは期間限定でかき氷を、秋ごろには弁当の販売も行う予定で、折を見てガレージセールなどイベントも開催する予定だ。

波佐見焼きに触れながら、子どもから大人まで遊べる公園「HIROPPA」。
街と人をつなぐ波佐見町の新しいランドマークを目指している。

(テレビ長崎)

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