2022年、北海道の「道の駅」が新たなスタイルを打ち出している。生まれ変わった「道の駅」を取材した。
経由地ではなく"目的地"に…生まれ変わる「道の駅」
美幌町 平野 浩司 町長:
地元、近隣の人も来て楽しめるものを配置
「通過型」から「宿泊型」に方向変換したプロジェクトも進んでいる。
道の駅プロジェクト 前田 清高 さん:
経由地ではなく目的地に
道の駅の進化を探ると、さまざまな背景が見えてきた。
日本最大のカルデラ湖=屈斜路湖を一望できる美幌峠の道の駅。
国立公園の中に位置する「ぐるっとパノラマ美幌峠」が20年ぶりにリニューアルし、4月21日オープンした。

ぐるっとパノラマ美幌峠 海老沢 直美さん:
この辺では手に入らないものをセレクトし、週末には地元の人が訪れるような観光客と地元の人、どちらも楽しめる道の駅を目指しています
「ぐるっとパノラマ美幌峠」は観光客のみをターゲットにしてきたが、今回のリニューアルで地元の人にも来てもらおうと方向転換した。
新戦略は"イートイン" アイヌ伝統料理で独自色
小出 昌範 ディレクター:
リニューアルされた道の駅では、このようにアイヌの伝統料理も提供され独自色を出しています
揚げイモやソフトクリームなど、これまではテイクアウトのメニューしかなかった道の駅にレストランを新設。
サケや山菜が入ったアイヌの伝統料理「オハウ」やエゾシカ肉のロースト丼など、独自のメニューにこだわった。

試食した人:
シカの肉は食べる機会がなかったし、アイヌの伝統料理を初めていただいた

「黙っていても来てくれる」からの方向転換…"稼ぐ観光"に
道の駅のあり方を方向転換した背景には、大きな反省点があった。
美幌商工会議所 後藤 哲也 会頭:
(北海道内の)道の駅ランキングで6年連続で「景色部門」の1位をいただいた。黙っていても人は来てくれるものという甘えがあった。この景色プラス"稼ぐ観光"という、道の駅の新しいスタートにしたい
かつては年間約120万人が訪れていた人気のスポットだったが、現在 来場者は60万人ほどに半減している。
世界的ホテルチェーンも…「宿泊型」で"旅の拠点"に
新しい道の駅は「アフターコロナ」も見据え、地元の人も集まりたくなる場所を目指している。
「通過型」ではなく「宿泊型」への方向変換もある。
恵庭市の道の駅「花ロードえにわ」の隣には、ホテルが建設中だ。
2022年6月から開催されるイベント「ガーデンフェスタ」も、道の駅を拠点に楽しんでもらおうと計画された。
恵庭市 花と緑観光課 金 伸彦 課長:
(ガーデンフェスタは)恵庭を知ることにつながるのでアピールしたい
地元の自治体と住宅メーカー、そして世界中でホテルを展開する「マリオット・インターナショナル」が共同でこのプロジェクトを進めている。
道の駅プロジェクト 前田 清高 さん:
道の駅周辺は魅力的なところが多いので、"経由地"ではなく"目的地"にするためにこのプロジェクトを開始した
長沼町の道の駅「マオイの丘公園」でも、このプロジェクトが同時進行している。
ホテルの営業開始は、長沼町も恵庭市も5月26日。道の駅の新たなスタイルが始まった。
(北海道文化放送)