2022年10月に長野市で行われるレースを最後に、引退することを表明した小平奈緒選手。かつての恩師や親交のある人たちも決断を尊重し、今後の活躍に期待している。

引退表明 すがすがしく

小平奈緒選手:(4月12日の会見)
10月の全日本距離別選手権大会の500メートルを、競技人生のラストレースとすると決意。長い人生を考えた時に、スケートだけで人生を終わりたくないという思いが本当に強くて

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2022年10月に長野市で開かれる全日本距離別選手権を最後に、現役を引退すると発表した小平選手。目に涙を浮かべながらも、すがすがしい表情が印象的だった。

「感謝」「これからも応援」

中学・高校時代の指導者・新谷純夫さん:
一番、自分の最後の姿を見ていただくことで、お返ししようとしたんじゃないか。いかにも奈緒らしい決断

新谷純夫さん
新谷純夫さん

長野・宮田村の新谷純夫さん。小平選手の中学・高校時代の指導者だ。平昌オリンピックでも、自宅で教え子たちと見守った。小平選手は、スピードスケート・日本女子初の金メダルを獲得した。

今もスケートを指導している新谷さん。今後、小平選手を目指す子どもたちが育っていくことを期待している。

中学・高校時代の指導者・新谷純夫さん:
(幼い頃に)憧れた選手のように自らがなって、後輩に憧れられる存在になった。そういう選手になってもらえたのが素晴らしいことだし、私としては感謝です

中学時代の同級生・佐藤萌さん:
世界でどこまでいけるのかなって希望を、いつも与えてくれた姿に感謝したい

佐藤萌さんは中学校時代からの友人で、大会にも何度も足を運び応援してきた。平昌オリンピックのときは寄せ書きを送り、小平選手からも感謝のメッセージが届いた。

小平奈緒選手:
中学校の同級生の皆さん、応援ありがとうございました

佐藤さんは小平選手の決断を尊重し、今後の活躍にも期待している。

中学時代の同級生・佐藤萌さん:
本人が考えに考え抜いて出した答えだと思うので、何されるかはまだはっきりわからないんですけど、新しい挑戦がどんな形であれ、応援し続けたいなと感じています

母校・茅野市北部中学校の後輩は…

北部中学校の後輩:
元気ももらっていたので引退しちゃうのは悲しいんですけど、これからも頑張っていってほしいなと思いました

北部中学校の後輩:
選手だけでなくて、人としても尊敬できる先輩だなって思います

北部中学校の後輩がそろってエール:
小平奈緒選手、ラストレースに向けて後悔のないように頑張ってください!

被災農家と「応援のやり取り」

小平選手は地元・信州を思い続け、12日の会見でも感謝の言葉を何度も述べた。

2019年の台風19号災害では、練習拠点のエムウェーブに近い長野市長沼地区が浸水被害に遭った際にはSNSなどで住民を励ましたほか、実際に災害ボランティア活動にも参加した。

小平奈緒選手:(12日の会見)
応援のやりとりができたのが、すごくいい経験。人が支え合いながら、思いやりながら生きているんだと実感したのが、ボランティアで学んだこと

その後、リンゴ狩りに訪れるなど住民との交流も生まれている。

リンゴ農家・田中英男さん:
まさか、まだ引退されるとは思わなかったから驚きました

赤沼のリンゴ農家・田中英男さん(83)もその一人。被災地を励まし続ける小平選手の姿に胸をうたれ、2020年には所属先を通じてリンゴを贈った。

小平選手からはお礼の手紙が…

リンゴ農家・田中英男さん(2022年1月取材):
体に気を付けてリンゴ作りに励んでくださいという、励ましの言葉

生まれた絆。その後、田中さんはエムウェーブの大会に自作の旗を持って駆け付けるなど熱心に応援してきた。
小平選手がラストレースに選んだのは10月のエムウェーブ。田中さんはまた、旗を持って応援に行きたいと話す。

リンゴ農家・田中英男さん:
何が何でも都合をつけて応援にいきたい

ただ、12日の会見では小平選手らしい一言も…

小平奈緒選手:(12日の会見)
10月はリンゴの収穫時期でもあるので、すごく大変な時期。それぞれやるべき暮らしがあるので、そういったところを尊重したい

信州を思い続けてきた小平選手。関わりを持った人たちは、ねぎらいながら今後の活動も期待している。

(長野放送)

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