2022年4月10日、ロシアの軍事侵攻で被害が拡大するウクライナから、叔父の住む沖縄に辿り着いた女性がいる。「長くて大変な距離だった」そう語ったディアナさんが沖縄に到着するまでには、県内でNPOとして活動するある親子の奔走があった。
戦火を逃れたディアナさんの到着までの思いを取材した。

「かつての同僚の助けに…」佐々木さん親子の思い

NPO法人マス・マス・グッド数学研究会 佐々木敏雄さん:
私自身もすごく数学大好きなので、ぜひその楽しさを1人でも多くの子どもたちに知っていただければいいかなと思っています

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数学を学ぶ楽しさを知ってもらおうと、週に一度 宜野湾市で開かれている数学研究会。代表理事を佐々木陽悠さんが務め、父・敏雄さんは顧問だ。今回2人は、ディアナさんのウクライナからの受け入れに尽力した。
ディアナさんの叔父で、敏雄さんのかつての同僚だったマイコーラさんの助けになりたいという思いからだった。

NPO法人マス・マス・グッド数学研究会 佐々木敏雄さん:
たまたま、私の方から大丈夫ですかって聞いて、いろいろ詳細な話をしてくださったという感じ。とにかく翻訳したりとか、そういった形で手伝おうかなと

2人は2022年3月の中旬から、日本語が話せないマイコーラさんに代わって、日本への渡航方法などを法務省などに問い合わせ、様々な調整事を担ってきた。

このなかで最大の難関は、まず戦火のウクライナをディアナさんが出国することだったと振り返る。

NPO法人マス・マス・グッド数学研究会 佐々木陽悠さん:
いま現在占領された地域にいるウクライナから出られないということが書いています

ポーランドに向かうのは厳しい状況…モスクワの日本大使館に援助求める

ディアナさんが住むウクライナ北東部のルハンスク州は、ロシアとの国境近くに位置している。ロシア軍や親ロシア派勢力が制圧していて、多くのウクライナ人が避難する西側のポーランドに向かうのはすでに難しい状況だった。

そこでディアナさんをロシア側に出国させ、モスクワにある日本大使館に援助を求めることにした。大使館への到着には一週間もかかった。

NPO法人マス・マス・グッド数学研究会 佐々木陽悠さん:
親ロシア派勢力の承認があってから、モスクワ行きのバスに乗る許可証を得ることができ、やっと到達できたと聞いています。

NPO法人マス・マス・グッド数学研究会 佐々木敏雄さん:
すごく安心したんですよ。もう大使館に入る、入れたということは、もうほぼ安全

「日本に無事到着」待ちに待った知らせが…

モスクワから中東カタールを経由し、成田空港を目指すディアナさん。
2022年4月5日午後7時半頃、待ちに待った知らせがマイコーラさんと佐々木さん親子のもとに 届いた。

NPO法人マス・マス・グッド数学研究会 佐々木陽悠さん:
いま連絡が入りました

マイコーラさん:
到着してくれて本当に嬉しい。これで彼女の長い旅も終わる

NPO法人マス・マス・グッド数学研究会 佐々木敏雄さん:
日本についたので、安全を考えるとそれが一番かなと思いまして、良かったです。本当に

長い旅路終えて叔父と再会 「今後も支援していく」

2022年4月10日、那覇空港には、ようやく長い旅路を終えたディアナさんの姿が。

NPO法人マス・マス・グッド数学研究会 佐々木敏雄さん:
正直な話、ホッとしています。やはり心配というか、特に連絡が取れない時、そこが一番心配でした

マス・マス・グッド数学研究会 佐々木陽悠さん:
人助けをしたい、そういう思いを胸に、そういう目標を達成できたことが本当に嬉しいです

軍事侵攻を受けるウクライナから避難してきたディアナさん。今後は、日本語の習得や仕事に就く必要が出てくる。

佐々木さん親子は、今後も通訳などをはじめ、新たな地で生活を始めるディアナさんへの支援のネットワークを繋げていきたいとしている。

(沖縄テレビ)