原油価格の高騰対策の一つとして検討が進められている「トリガー条項」の凍結解除について、12日、与野党の幹部から発言が相次いだ。
自民党の世耕参議院幹事長は12日の記者会見で、「トリガーを実施をする上での技術的な課題が明らかになり、それをなかなか解決する方法が見つからない状況」と指摘した上で、「問題点をクリア出来る対応策がない中で、なかなかトリガーの導入というのは難しいのではないか」と述べた。
ガソリン価格高騰時に25円分の税金を軽減するトリガー条項の凍結解除を巡っては、値下がりを見越した買い控えや税率を元に戻す際に駆け込み購入といった混乱が起き、ガソリンスタンドの負担が増えるおそれがあることなど課題が指摘されている。
世耕氏は、「トリガーの良い面は、現行高止まりしている石油の値段を下げることが出来る点」とした一方で、「例えば補助金を更に上積みするなどの方法で対応出来るのであれば、それが一つの案だと思う」と述べた。
トリガー条項凍結解除については、自民、公明、国民民主の3党の実務者が協議を進めているものの、政府が石油の元売り会社への補助金を1リットルあたり最大25円に増額したことで、「政策の効果が出ている」として、見送りの見方も広がっている。
これに関連して、公明党の山口代表は12日の会見で、「補助金での価格抑制で、一定の効果が出ている」と指摘。一方で、補助金の予算は4月内を想定しているため、原油価格の高騰が続いた場合は今後の措置も必要だと強調した。その上で、トリガー条項の凍結解除については「公明党としては実施可能な制度として検討すべきと考えているが、制度としての課題もあるので、実務者の協議に委ねて、対応を見極めていきたい」と述べるに留めた。

これまで凍結解除を主張してきた国民民主党の玉木代表は12日の記者会見で、「我が党の考え方は変わっていない。石油元売り会社への補助金とトリガー条項凍結解除による減税措置を組み合わせて、ガソリン価格の値下げを実感できるようなハイブリッドな対策が必要だ」と強調した。さらに補助金について「もう少し強化しないと、172円で高止まりをさせる制度になっている」と指摘した。

原油価格高騰への対策でトリガー条項の凍結を解除するかも含めて、今後3党の実務者による詰めの協議が行われる見通しだ。