若い世代から次々と、実力派のトッププレーヤーが出現する女子プロゴルフ界で、また新たな才能が開花していることをあなたはご存じだろうか?

西郷真央(20)。通称“セゴドン”と呼ばれるジャンボ尾崎の愛弟子だ。

今シーズンの開幕戦でいきなりプロ初優勝を果たすと、第2戦は2位タイ、第3戦も10位タイとすべての試合でトップ10入り。開幕してまだ3戦を終えたばかりだが、現在賞金ランキングでもトップに立っている。(獲得賞金2876万円)

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「練習自体が好きなので、練習をして行く中でいろんな発見があったりするので、それが楽しくてオフは練習漬けの毎日を送っていました」

西郷はそんな言葉を当たり前のように語る努力家だ。

『シルバーコレクター』と呼ばれた昨季からの飛躍

実はこの西郷、昨シーズンの成績を振り返ると2位の回数がなんと『7回』。

優勝争いをしながら勝てないその戦いぶりから、“シルバーコレクター”とも呼ばれて来た。今シーズンに入り一体何が変わったのか、飛躍の秘密を聞くとアプローチをキーワードに挙げた。

「昨シーズンは2位の試合もそれ以下も含めて、グリーン周りが課題と思っていたので、オフシーズンはずっと(アプローチ)メインで練習してきました。アプローチを練習して来たという思いがあったので、ショットを狙う際も安心感があったり、グリーンを外した時にガッカリするのではなくて、気持ちをリセットする余裕が出来たのが大きいです」

「昨年は悔しい想いを沢山したんですけど、今年の開幕戦で優勝したことで、継続して練習してきて良かったと思えたので、それが凄く良かったと思います」

そしてオフには、成人式にも出席せず通いつめたというのが、ジャンボ尾崎邸に作られた練習場だ。

その名も「ジャンボ尾崎ゴルフアカデミー」。ここには、約280ヤードのショット練習場と、手入れの行き届いた大きな2面のグリーンが備わる。その周囲にはバンカーが約100メートルも囲んでいるという。

「練習が好きな私としては、すごくいい環境なのが一番大きいです」と話すように、この場所で徹底的にアプローチを磨いたのだという。

近年では原英莉花の練習拠点としても有名で、多くのプロや将来のプロゴルファーを目指すジュニアが集っている練習環境だ。

その場を設けたツアー通算94勝のジャンボ尾崎も、この西郷を評して「なんといってもゴルフに対する考え方や取り組み方が優等生で、プロの中でもそのゴルフ頭脳はトップではないかと思うときがある」と語るほどだ。

昨シーズン2位を7回記録した一方で、トップ10も21回という抜群の安定感が、その強さを物語る。

女子プロゴルフ界はまさに世代闘争

かつてない盛り上がりとともに、実力派が揃う女子プロゴルフ界。

左から稲見萌寧、小祝さくら、勝みなみ、西村優菜
左から稲見萌寧、小祝さくら、勝みなみ、西村優菜

2シーズン連続の賞金女王を狙う、東京オリンピック銀メダリストの稲見萌寧は、1999年生まれ。

それに立ちはだかるのが、小祝さくらや勝みなみを代表とする1998年生まれの「黄金世代」。

そして、通算4勝の西村優菜を筆頭とした2000年生まれの「ミレニアム世代」が注目を浴びたかと思いきや、今年最高のスタートを切ったのが2001年生まれ「新世紀世代」の西郷真央だ。

同世代には世界に羽ばたき、昨年「全米女子オープン」を制した笹生優花の存在もある。

ーー笹生プロはもう世界に羽ばたいていますが、その姿はどうご覧になっていますか?

そうですね、笹生さんもそうですけど、古江さんだったり、渋野さんだったり、海外の試合にたくさん出られて活躍されているので、私もいずれ海外にっていうのはずっと思っていたので、先頭を切って行動を起こしている先輩方を見て、すごく尊敬しています。

(自分は)まだ国内でも技術的にまだまだな部分もあるので、そういった部分がしっかり身についてチャレンジできるぞって決意ができたら、(海外に)チャレンジしたいと思っています。

そして25日からは、国内ツアー第4戦が始まる。

「つねに100%の力を出せるようにとは思っているので、本当に毎試合毎試合、全力でプレーしていい結果を出せたらいいなと思ってます」

「(今週は)土曜日も雨予報なので、すごく長い1日になると思うんですけど、自分の中で集中力をうまく継続させて、まず予選通過をして、そこから週末にかけてスコアを上げていけるように頑張りたいと思います」

気負わない言葉の中に潜む力強さと冷静さ。ジャンボ邸で磨いたアプローチを武器に、西郷が2勝目を手にする瞬間はそう遠くないハズだ。

アクサレディス in MIYAZAKI 2022 最終日
3月27日(日) 午後4時5分~
フジテレビ系列全国ネット放送
https://www.fujitv.co.jp/golf/axaladies/index.html