脱サラして伊万里市でゲストハウスを営む女性。ここ10年ほどのブームで、女性が営むゲストハウスが全国的にも増えた。新型コロナの影響で客が減る中、新たな可能性を模索している。

「ファスティング」の宿泊プランも

石黒みさとさん:
国際交流ができるような場所がほしいなっていうか、作りたいなみたいなかんじで、ゲストハウス泊まっていくなかで「あーこれこれ!」みたいな

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佐賀・伊万里市の市街地から少し離れた自然豊かなところにあるゲストハウス「Ne doco?」。営んでいるのは石黒みさとさん(33)。石黒さんは佐賀市出身。福岡県の大学を卒業したあと、2017年5月まで化粧品会社に勤めていた。

石黒みさとさん:
そのとき仕事していたんですけど、30歳前で仕事も楽しかったけど、もうなんか十分やり切った感があったので、次のチャレンジをしたかったんですよ、30歳前に。いろんな国の人たちが集まる場所を作りたいなって

2017年10月、約3年間空き家になっていた祖父母の住んでいた家を、総額約100万円かけてリフォームし、ゲストハウス「Ne doco?」を開業。
足りなかった資金はクラウドファンディングで募り、50万円ほどが集まった。

石黒みさとさん:
うれしかったですね。うれしかったし、切実に本当に資金がなかったので助かりましたし、応援してくださる方がいるんだなっていうのは実感したというか、ありがたかったです。本当に

コンセプトは、「きれい」と「リラックス」を提供するゲストハウス。

石黒みさとさん:
ゲストハウスっていっぱいあるので、自分の個性を出そうって思ったときに、強みはやっぱり経験がある美容のところかなって思って。それと、この田舎暮らしっていうのを掛け合わせたときに、リラックスするだったりとか出てきて。「きれい」と「リラックス」に至ったっていうのが大きいですね

宿泊プランにも「ファスティング」、いわゆる断食のプランなど、美容を意識したものが取り入れられている。

「Ne doco?」のようなゲストハウスや民宿を始めとする「簡易宿所」の数は、2016年4月の法令改正で、客室面積についての条件が緩和されたことや、外国人旅行者からの需要もあり、県内でも、この10年間で2倍以上の172軒に増えた。

おむすびでコロナの苦境を乗り切る

自身も武雄市でゲストハウスを営み、県内のゲストハウスをまとめたウェブサイトを管理している野田ひとみさんは…

Share Creative&Bedadonoan・野田ひとみさん:
どこのゲストハウスも、海外からのお客さんが大半を占めていた状況。特にアジア、香港、韓国、中国、台湾のお客さんが大半を占めていました

「Ne doco?」にも、夏休みなど旅行者が多い時期には1日8人ほどの宿泊客が訪れていた。
しかし、2年前から新型コロナの感染が拡大。全国的にゲストハウスの閉業が相次ぐ中、「Ne doco?」も大きな影響を受けている。

石黒みさとさん:
宿泊客は減りました。減ったっていうか、来なかったです、誰も。最初の緊急事態宣言(2020年4月~5月)のときは休業しました。緊急事態宣言が明けて営業を再開したけれども、来なかったですね。通常のほんと2、3割ぐらいですかね。お先真っ暗ってかんじです

ゲストハウスの魅力の一つ、客との距離感も影響があったという。

石黒みさとさん:
客と一緒に食卓を囲むことはしなくなりました。けっこう「話したい」とか「一緒に飲みたい」って言ってくれるお客さんも多いんですけど。それは非常になんかもどかしいというか、残念ですね

宿泊客が減り、売り上げは減る一方で、増えた空き時間。苦境に立たされる中、石黒さんは状況を打開しようと新たに始めたことがある。それが地元産の玄米を使った「おむすび」の販売。

石黒みさとさん:
コロナ禍で焦りはあったし、なにかで稼がなきゃっていうのもあったし、宿泊のお客さんとかにもお食事で玄米だしていて、けっこうみんなおいしいって言ってくださっていて、玄米すごく体にも良いし、栄養バランスも良いですけど、苦手意識がある方が多い、先入観で。玄米の良さっていうか、おいしさとかを知ってもらいたいっていうのもあって。おむすびはすごい手軽なので

現在はイベントなどの出店のみで行っているおむすび販売。店舗でもテイクアウト販売ができるよう、ゲストハウスの一部をリフォームして準備を進めていて、オープンは3月15日を予定している。

石黒みさとさん:
地元のものとかを、おむすびを通して知ってもらうっていうのをできるようにしようとしていて、このおむすび1個に凝縮している

宿泊施設としての先が見えないなか、石黒さんは笑顔を絶やさず新たな可能性を探ろうとしている。

(サガテレビ)