広島県の最新のまとめでは、今回の第6波は10歳未満の若年層や60代以上の高齢層で感染拡大の傾向が認められている。クラスターが起きた特別養護老人ホームの担当者が取材に応じ、感染の恐ろしさを明かした。

特別養護老人ホームの施設長:
正直、お亡くなりになられた方もいらっしゃいますし、退院をされてきた方もいらしゃいますし、ちょっと退院できそうにないね、という人も何人かいらっしゃるような状況

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細心の注意払ったが…老人ホームならではの難しさ

入居者と職員合わせて約30人が感染した特別養護老人ホーム。

ウイルスを持ち込まないことを徹底していたが…
ウイルスを持ち込まないことを徹底していたが…

施設は、1人1部屋の個室が同じフロアに複数ある造りで、これまで職員などは“外からウイルスを持ち込まない”対策などを徹底してきたが、あっという間に感染が広がったという。

施設は1人1部屋の個室
施設は1人1部屋の個室

その背景には、ある難しさが…

特別養護老人ホームの施設長:
特別養護老人ホームを利用されていらっしゃる方は、やはり「マスクをしてください」と言っても、ご理解できる方というのは半分いるかいないかというくらいですので。職員は細心の注意を払ってケアにあたってくれていました

高齢者にとって「ちょっとした風邪」ではない

難しさを感じながら直面した感染の脅威…。
3回目のワクチン接種前で、70歳代から100歳代の入居者が感染し、入院先で1人、施設内で療養していた1人のあわせて2人が亡くなった。

特別養護老人ホームの施設長:
保健所の方が言われたのは、「重症度が高い方を優先的に入院させます」とおっしゃっていましたので、これは軽症の方は施設内で見ざるを得ないなというふうには感じていたところで。
入院の基準としては、酸素の必要度が一つの目安になっていたような気がします。
新型コロナは、コロナによる呼吸器症状などが悪化するイメージかと思うんですけれども、今回思ったのは、やはり高齢者の方は基礎疾患をお持ちで、この基礎疾患が悪化してお亡くなりになるとか、回復がなかなかできないとかが多かったように感じています

保健所によるフォローや、地元医師会の看護師が感染拡大を防ぐために駆け付けるなど、施設側も多くの支援に助けられたという。

特別養護老人ホームの施設長:
(オミクロン株は)ちょっとした風邪だろうと思っている節もあるのかもしれないが、高齢者に携わる身としては、そこはちょっと違うだろうと思う。高齢者はやはり重症化するんだなと実感したところなので、皆さんには、そういうところは少しは意識を持っていただきたいなと思うんです

(テレビ新広島)

テレビ新広島
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