1月19日に発表された第166回芥川賞・直木賞。
芥川賞は、砂川文次さんの「ブラックボックス」。直木賞は、米澤穂信さんの「黒牢城」。
そしてもうひとつは、今村さんの作品、「絶対に破られない石垣」を作る職人と、「どんな城も落とす砲」を作る鉄砲職人の対決を描いた物語、「塞王の楯」です。

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三度目の正直で直木賞受賞となった今村翔吾さん。

3度目の正直で直木賞へ 子供たちへ伝えたい「30歳からでも夢は叶う」

今村翔吾さん(受賞会見):
元々30歳になるまで小説を書いたことのない人間でいつか小説家になりたいとペンをとりました。僕はダンスの先生で子どもたちに『30歳になってからでも夢はかなう』と、僕の残りの人生で証明するといって、この世界を目指したんで。

ダンススクールの教え子と交わした約束から小説家を目指し、2017年に作家デビュー。
作家以外に、コメンテーターとしても活躍の場を広げてきました。
2020年には、大阪府箕面市で廃業の危機に陥っていた書店の経営を引き継ぐなど独自の活動も。これまで2度、直木賞候補となりましたが、受賞を逃します。

今村翔吾さん(受賞会見):
(結果を聞いたとき)まさか自分が泣くとは思ってなかったんですけど、号泣してしまいました。この直木賞を獲るっていうのも、実は、もう公言してたんで、嘘を誠に変えられたっていうことと、何か子供たちの思いを裏切らずに済んだっていうことの安堵の気持ちですかね。いろいろ入り交じって、なんか泣けて来ちゃいましたね。

「めざまし8」は快挙の舞台裏を詳しく聞きました。

「めざまし8」生出演で語った率直な思いと次回作への意欲

ーー受賞から一夜明けましたがお気持ちいかがですか?

今村翔吾さん:
恥ずかしいですね…あんなに泣いてたんだと思って。客観的に見て、VTRを見たら現実的に感じられました。直木賞って作家にとって大きいものなので、まだまだ慣れないですね。

今村さんは、1984年京都府生まれ、2017年にデビューすると、翌年「童の神」で直木賞候補に初ノミネート。 2020年に「じんかん」で2度目の直木賞ノミネート。
そして、今回3回目のノミネートで初めて直木賞を受賞しました。

「とくダネ!」で共演経験があり、同じく作家としても活躍されている古市憲寿さんは、今村作品の魅力をこう話します。

古市憲寿さん:
1つ前の「じんかん」の時に、東野圭吾さんが「アベンジャーズ」みたいって選評に書かれていたじゃないですか、今村さんの作品って時代小説なんだけど、ゲーム的であったりとか、ハリウッド映画的だったりとか、すごく読みやすいって評価を受けていますよね。

小説離れが進む若い世代にも手に取りやすい内容も今村さんの作品の魅力なのかもしれません。

受賞会見での「嘘を誠に変えられた」ということと、何か子供たちの思いを裏切らずにすんだという発言が印象的だった今村さん。その涙の理由を聞くと、

今村翔吾さん:
今のご時世「夢は簡単にかなう」っていうのは、軽々しくは言えないと思うんですけど一つの事象としてって意味でいうと、こういうこともあるんだよっていうこと。もしも今、何かをあきらめようとしている人のっていう意味では、僕は子供たちだったんで、子供達には未来がいっぱいあると思うので、みんなに大きいことを言ったのでこれを叶えられたって思いが一番の涙の理由です。

ーー今後はどういった活動を?

今村翔吾さん:
チープな言葉になりますけど、より面白い小説を書いていくっていうのは当然のことなんですけど、子供たちのことをやってきた経験と合わせて何かできないかなっていうのを今考えていて模索している途中です。

(めざまし8「#NewsTag」1月20日放送)