1月13日、東京の新規感染者は3000人を超えました。小池知事は、病床使用率が20%を超えた場合に「まん延防止等重点措置」の要請を検討すると説明。

この政策についてどう思うのか、めざまし8では生アンケートと専門家を交えて議論しました。

要請の基準は“病床使用率“「まん延防止等重点措置」は?

東京都のまん延防止等重点措置の要請関して新たな基準が示されました。その基準というのは「病床使用率」。東京都の小池都知事は13日、20%を超える病床使用率になった場合に「まん延防止等重点措置」の国への要請を検討。さらに、50%を超えた場合は「緊急事態宣言」を検討すると明らかにしました。

では、実際に病床使用率はどのくらいの数字なのでしょうか?

1月7日、わずか1週間前に10%を切っていた数字が増加。1月14日の時点では、15.1%に。このペースでいくと、次週中には20%に達し、「まん延防止等重点措置」の要請を検討する段階にも入っていくように数字が伸びているということになります。

さらに、厚労省のアドバイザリーボードの資料からグラフにまとめた、これまでの「病床使用率」を見てみます。薄い紫色の部分がかつて「まん延防止等重点措置」が適用されていた時です。20%を超えて30%、あるいは20%から30%という数字でした。

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最大で1日40万人も…専門家による“感染者予測”

13日の東京都モニタリング会議では、専門家7人による感染者数予測がされ、中には3月3日に最大で40万人を超えるという数字もあります。

専門家のシミュレーションの中でも、数が多いもの少ないもの、様々な数字があるわけですが、少なくともこの7つの予測では、いまがピークで何もしなくてもピークアウトという予測はありません。

そのような中で、創価大学の畝見達夫教授は、忘年会といった社会活動などの実行、感染力はオミクロン株に比べて、デルタ株より1.5倍であることや、ワクチンの効果も少し薄い前提で3月3日、最大で“40万人を超える”感染者が出る予測をしました。

しかし、創価大学の畝見教授は「すでに都民の行動に変化が出てきている。ここまでの爆発的な感染は起きないと思う。ただ、行動変容の効果というのは数日遅れて感染者数に影響するため、今週中はかなりの増加を危惧している」とも話しています。

一方で“数千人台”という予測を名古屋工業大学の平田教授が出しました。

平田教授の場合は、人流がどれだけ影響を与えるかという予測になっていくのですが、抑制した場合でも2月24日時点で約4400人、そして、抑制しない場合では3月末で6400人という試算になりました。

また、平田教授は「年末年始に予想以上の多くの人が動いたため、ここまで感染が増えてしまったのではないか」という見解も示しています。

そして、こういった予測を総合し、東京都モニタリング会議は1週間後の1月20日には9500人を超えるとの予測をしました。

では、専門家会議ではどのような予測を立てているのでしょうか?政府の新型コロナ分科会のメンバーである小林慶一郎氏に話を聞きました。

生アンケート「適切」67%  経済活動・社会活動に強い制限は必要ない可能性も…

新型コロナ分科会メンバー 小林慶一郎氏
こういう予測に従ってみなさん大変危機感が高まっていますね。特に感染症の専門家のみなさんはどちらかというと緊急事態宣言のような非常に強い措置をなるべく早くとるべきではないかというような意見が強くなっています。しかし、わたくし経済系の人間ですので、色々な予測を見ると感染が拡大するスピードは速いと。だけども医療崩壊までいくのかというと、そうはならないのではないかという予測もあるんですね。オミクロン株は重症化率が低く、おそらくデルタ株の5分の1以下くらいの重症化率なのです。ですので、感染者が非常に増えたとしても医療崩壊は起きない可能性がある。つまり、重症の患者さんが入院できないことや在宅で亡くなるとかそういったことは、避けられる可能性があると。それが、東大の仲田さんの予測で、東京で1万人くらい感染者が出て1ヶ月程続いたとしても、重症者の病床は満杯にならないと。そういう予想がある訳です。ですから、もしそうであれば、経済活動や社会活動に強い制限をかける必要はひょっとしたらないかもしれないので…

しかし、小林氏は医療のひっ迫する状況になった場合は別であると指摘します。

新型コロナ分科会メンバー 小林慶一郎氏
ただ、医療のひっ迫が差し迫っているという状況になってきたら、それはしっかり都民や国民の皆様にお伝えをする。そして、自発的に行動が変わるように促していくということは必要だと思います

さらに、めざまし8では「病床使用率20%超えで東京都は“まん延防止等重点措置”の要請を検討」について視聴者に生アンケートを実施。選択肢は「早い」「適切」「必要ない」の3つ。

結果は、投票数28,090票で「適切」67%、「早い」9%、「必要ない」24%との結果が。約70%が東京都の考えを「適切」であると回答しました。

やはり、病床使用率20%という数字は大きなポイントになってくるのでしょうか。
アンケートの結果を踏まえ小林氏はこう語りました。

「“バランス”を考えた上での政策の実行を」分科会メンバーが指摘

新型コロナ分科会メンバー 小林慶一郎氏
やはり、ここで「まん延防止措置」、さらに50%で「緊急事態宣言」となってくると正直言って経済や飲食店などへも悪影響は非常に大きくなると。ですからこのアンケート答えた方々は、もちろんコロナについての悪影響を考えて、こういうアンケートの答えになったと思いますけれども、やはり我々バランスを考えなければいけないと思います。ようするに経済活動を抑えることでも命が失われる訳ですね。1カ月2カ月経済を止めると言うことになれば、生活ができなくなって自殺をされる方というのは必ず増えていきます。特にオミクロンの感染症で亡くなる方というのは高齢が多いというのに対して、経済苦で亡くなる方、自殺をされる方は若い世代、弱い立場の女性が多いわけですね。そういう犠牲をはらうということと、そして感染症の患者さんを助けるということと、そのバランスをしっかり考えた上で、こういう政策を実行しなければいけないということだと思います。

(めざまし8 1月14日放送より)