在日米軍 沖縄のみならず感染拡大

国内各地の米軍基地で新型コロナの感染が拡大していることを受け、在日米軍司令部は基地内の警戒レベル「健康保護態勢」を上から3番目のブラボーへと引き上げた。

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この中では、軍用機などで日本国内に移動してきた兵士にPCR検査を義務付けたほか、陰性が確認されるまでの間、基地内でマスク着用すること、さらに基地の外でもマスクの着用を義務化している。

在日米軍を巡っては、2021年9月以降、本国を出国する際に検査が免除されていたことが明らかになり、1月5日には岩国基地で180人が感染するクラスターが発生するなど、沖縄のみならず国内の施設で新型コロナの感染が拡大している。

全駐労・與那覇栄蔵委員長:
在沖米軍基地で感染が拡大して、さらには基地従業員も外に居住していますから、市中感染に繋がった。残念ながら、米軍のコロナ対策の失敗だなと強く思っています

防衛省通じて感染対策求めるも聞き入れられず

基地従業員でつくる労働組合「全駐労」の與那覇委員長は、米兵が基地の中でマスクを着けずに行動していた事を問題視し、2021年の11月の時点で防衛省を通して感染対策を徹底するよう求めていたが、聞き入れてもらえなかったと言う。

全駐労・與那覇栄蔵委員長:
職場の皆さんから、マスクを着用せずに米軍人軍属の対応をするのは不安があると。在日米軍に働きかけをさせていただいたんですが、迅速に対応してもらえなかった

結果として、キャンプハンセンで大規模なクラスターが発生し、基地で働く従業員を介して変異ウイルスのオミクロン株が市中に漏れ出る事態を招いた。

日米地位協定で米軍は入国に際し、日本の法令が適用されないと明記されていて、検疫が事実上免除されている。

基地従業員が偏見に晒されないかの懸念

全駐労・與那覇栄蔵委員長:
米軍に検疫が及ばないということは、2020年の感染の時期に既に発覚していた。ところが日本政府はおろそかにした。ワクチン接種をしてるんだということを過信した対策が取られていると思っています。米軍・米国のコロナ対策と日本のコロナ対策、これは温度差が非常に強くあるなと思っています

基地内での感染拡大に歯止めがかからず、基地従業員が偏見に晒されないかという懸念もある。

全駐労・與那覇栄蔵委員長:
2021年の感染拡大の時に、基地従業員は診療を控えてくださいとか、保育園とか学童、通学、出勤させないでくれとか、そういった声も届いていました

従業員が抱える不安や懸念を払拭し、共に働く仲間の命を守るため、全駐労では日本政府に毅然とした対応を強く求めている。

全駐労・與那覇栄蔵委員長:
憲法で日本人の権利や命は保障されているはずですから。地位協定があるから日本の憲法がないがしろでいいという話にはならないと思います

與那覇委員長は、国は国民に対して、国民の命に対して、健康に対して責任があり、その責任を果たすべきだと話す。

(沖縄テレビ)

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