年内最後の試合、最も観客を沸かせた。
第1クォーター残り2分48秒、「背番号13、大倉颯太」がアナウンスで告げられると千葉ジェッツのホームアリーナは大きな拍手に包まれた。
昨年、東海大から特別指定選手として千葉ジェッツに加入した大倉は2月の信州ブレイブウォリアーズ戦で「前十字靭帯断裂、内側側副靭帯断裂、内外半月板損傷」の全治12カ月の大ケガを負った。千葉のホームコートに立つのはそれ以来だった。
「ここに帰って来られたのが率直に嬉しい。(リハビリ期間に)たくさんの応援メッセージをもらった。恩返ししたい気持ちでコートに立った」
富山グラウジーズとの試合で得点こそ挙げることはできなかったが、13分25秒のプレ―タイムを得た。25日の渋谷戦でも5分41秒、26日も14分35秒の出場で7得点2アシスト1スティールと、ルーキーながら即戦力として活躍を見せている。
12月に行われた全日本大学バスケットボール選手権大会(インカレ)では準優勝に貢献した大倉は「東海大でよりプロに近いレベルでやってきた。大学でもプロに勝つつもりで練習してきた。だからプロの壁を感じることは一切ない。壁があるならプレータイムなんかもらっていないし、ルーキーとか関係なく強気でやるべきことをやっていきたい」とプロの世界に臆することはない。
そんな頼もしいルーキーが今年一年の漢字に選んだのは「喜」だった。千葉のファン、メディカルスタッフ、大学の仲間に支えられたことへの感謝に溢れていた。
「たくさんの方にサポートしてもらって、コートに立てた。大学の仲間と喜怒哀楽を分かちあえた。絶対に4年生として最後に経験したかったことなので」
1月1日には早くもレギュラーシーズンが始まる。
「合流して間もないのでまだ様子見になっているが、これからプレータイムが伸びていくうちに持ち味であるクリエイトの部分や積極的にシュートを狙う姿勢を見せていけたら」
たくさんの感謝を胸に迎える2022年。リーグ2連覇という形で最高の「喜」が待っている。
千葉ジェッツ105-64富山グラウジーズ
(29日・船橋アリーナ)
(フジテレビ・加藤忍)