12月23日から始まる全日本フィギュア選手権(~26日、さいたまスーパーアリーナ)。この大会は北京オリンピックの代表最終選考会でもあり、男女ともに3枠しかない椅子をかけて、激戦が繰り広げられる。

右足のけがの影響で、ここまで表舞台を離れていた絶対王者・羽生結弦は、この大会が今シーズン初の実戦の舞台。昨日行われたショートプログラム(24日16:20〜)の滑走順抽選会では、32人の男子選手の中、24番目に滑走することが決まった。

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その抽選会を終えた夜、羽生結弦がインタビューに登場し、「とりあえず4A込みでフリーやるつもりです。4A込みで頑張りたいなと思っています」と衝撃の発言を口にした。

人類でまだ誰も成功していない4回転アクセルの挑戦、初披露となるショートプログラムへの思い、その決意に迫る。

「4A込みでフリーをやる」

24日、男子ショートプログラムで約8カ月ぶりの実戦を迎える羽生結弦。

抽選会後のインタビューでは、人類で誰も成功していない“4回転アクセル”への挑戦を明言した。

「前回NHK杯の前に自傷して、NHK杯で目指していたコンディションであったり体調だったりには大分近づいているのかな。そこ以上(のコンディション)に頑張ってなれているかなと思っています」

先月、グランプリシリーズのNHK杯前に負傷した右足も問題ないという羽生。

自身が度々言葉にしてきた成功すれば世界初となる4回転アクセルへの挑戦については、「とりあえず4A(4回転アクセル)込みでフリーやるつもりです。4A込みで頑張りたいなと思っています」と断言した。

ジャンプの中で唯一前向きで踏み切り、他のジャンプより半回転多い高難度のアクセルジャンプ。

「本当に色々な方々から色々な視点でアクセルへのアプローチを考えさせていただいたり、また自分自身も研究して、4Aについて考えてきて、やっと、やっと自分の理想の、今までの道のりから考えてみたら、やっと7割くらいのところまで来たかなというくらいの感じです。

練習では降りてないですけど、4Aだねという形には大分なってきているので。もしかしたら公式練習で降りれるかもしれないし、本番だけ降りれるかもしれないし、とにかく最後まで望みをつなげていければと思います。

本音を言うと『4アクセル跳ぶと』言ってしまったので、やりたいんですよ。今まで自分の人生の中で『絶対これをやる』と言ってやりきれなかったことはないですし。挑戦して叶わなくて落ち込んだりしながら考えることはあるんですけど。

でもまだ足は動くし、体はあるし、スケートもまだできる環境にもいるので、精一杯やりたいなって思います」

4回転アクセルを跳ぶフリープログラムの構成は、「冒頭4回転半で、2本目が4回転サルコウやって、その後からは去年と一緒」というもの。自身の演技を楽しんでもらえたらと話した。

「4Aが入ることによって冒頭の感覚と全然違いますし、後半にかけて去年と同じような構成になってはいくんですけど、本当に冒頭のステップ前までの入りが全く逆になっているので、また見え方も違ってくるので、そういった意味でも楽しんで頂けたらなと思います」

羽生じゃなければ滑れないショートの構成

怪我に苦しんだ今季の羽生にとっては、この日本一を決める全日本選手権が、ショートプログラム初披露の場ということにもなる。

「ショートは新プログラムでもありますし、例年同様サルコウが冒頭でトゥループ、トゥループのコンビネーション、最後の後半のジャンプでアクセルを入れる予定です」

そしてこのプログラムは、自分でないと滑れないものになっていると明かした。

「ショートに関しては凄く選曲も迷いましたし、どういうプログラムを滑るべきなのかとか、どういうものが自分に求められているのか、色々考えた上で、『この曲をやっぱり滑りたい』という自分の夢も叶えてあげたかったし。

その上で羽生結弦が滑るプログラムだったら、どういう形なのが良いのかなとか色々考えたりして出来上がったプログラムです。もちろん曲は王道ですけど、このプログラムは“羽生結弦じゃなければ滑れない”なって思えるようなものにできたのかなと思っています」

今回ショートで使う音楽はヴァイオリン曲「序奏とロンド・カプリチオーソ」を、ピアニスト・清塚信也氏が羽生のためだけにアレンジしたオリジナル曲だ。羽生はこの曲への思い入れも強い。

「自分の良さを出すのはピアノの曲なのかなと強く感じていて、どうせやるなら色んな音源を聞いていったんですけど。昨年の自分が一番落ち込んでいて、本当にスケートが嫌いになっていた時に助けてくださった清塚さんのピアノが自分の中で強く残っていて。

最近も苦しくなったり色んな事ありますけど、そういう中で自分の競技のプログラムに清塚さんの音たちがあったら自分も気持ちよく滑れるだろなと思って、清塚さんにお願いしました。いわゆる既存の物ではなくて、完全にオリジナルの物です」

初めて口にした北京五輪への決意

「まあ全日本の結果次第なので、僕がどうこう言ってオリンピックが決まるわけではないのでなんとも言えないんですけど。まあ4A次第ですけどね、最後まで諦めないですけど。ただ獲りに行けるのであれば獲りに行きます」

今まで明言することのなかった北京オリンピックに対して、初めてはっきりと言葉にした羽生。

「ストレートに表現することが凄く難しいので、なんと言えばいいかわからないですけど、前からずっと言っていたように、4Aの習得への道がオリンピックにつながっているのであれば、全力でここを獲りにいかないといけないですし。ここで4Aを諦めているわけじゃないですんですけど、でも、本気でオリンピック狙ってもいのかなって思っています」

「まだ(気持ちが)変わったのは昨日なので、自分の中で。まだふわふわしてるんですけど、でも今の所譲る気はないです。

昨日練習して、本当に尋常じゃないくらい、本当にこれで世界が終わってしまうんじゃないかくらいのアクセルの練習をしてきて、ここで跳べなかったら本当に終わるなって思いながら練習をして、結局回転ギリギリのところまではいけるんですけど、やっぱり降りきれなくて。

その時自分に問いかけたんですよね。『本当に終わるの?お前』って。本当にこんなに支えてもらいながら中途半端なところで自己満足して終わって良いのかなということを凄く考えて。

でも一番上手いんですよ今僕が、僕の中で一番上手いんです。だから諦めたくないっていうか、『諦め悪いなぁ』とか、『もうそろそろ開放させてくれよ』って思っている自分がいるんですけど、やっぱり小さい頃の記憶とか辿ると、多分許せないなと思うので。

もしオリンピックに僕が目指す道のゴールがあるのであれば、今はそれを全力で獲らないといけないなと思います」

絶対王者が挑む4回転アクセルの成功。そして3度目のオリンピック。

様々な思いを抱き、羽生結弦が全日本選手権のリンクに立つ。

北京五輪代表最終選考会
全日本フィギュアスケート選手権2021


フジテレビ系列で12月23日(木)から4夜連続生中継(一部地域を除く)
https://www.fujitv.co.jp/sports/skate/japan/