福島県でこの冬、新たな名物が誕生した。

約10種類のスパイスを調合した「温泉クラフトコーラシロップ」は、大人も楽しめる味わいで話題。さらに、特産品とコラボして進化を遂げたご当地グルメも。注目の新名物をご紹介する。

元フレンチの料理人が作る温泉卵

福島テレビ・我如古梨乃アナウンサー:
岳温泉にやってきました。2021年10月にできたばかりの新名物があるということなんです

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訪れたのは、福島県二本松市にある昭和30年(1955年)創業の物産店「佐藤物産館」。自社商品のほか、店主が厳選した福島のお土産品や地酒などを豊富に取りそろえている。

我如古梨乃アナウンサー:
いろんな商品がありますね。あそこに温泉卵がありますよ。「とろんたま」?

佐藤物産館・佐藤善彦さん:
当店のオリジナル商品になるんですけれども、実際にここで作っています

4代目店主の佐藤善彦さん。3年前から販売している「とろんたま」は、元フレンチの料理人という経歴を生かして仕込む、佐藤さんこだわりの逸品だ。

どうしても食べてみたくなった我如古アナウンサー新名物を紹介する前に「とろんたま」を試食させていただくことに。

我如古梨乃アナウンサー:
黄身も弾力がありますよ。濃厚で甘みもありますね。まさに名の通り“とろんとろん”です

この黄身の弾力となめらかさ!そのまま食べてもおいしいが、黄身がよく絡むように作っているので、ほかの食材と合わせてもおいしくいただける。

「とろんたま」は、佐藤物産館のウェブサイトや福島県内の旅館、お土産店でも販売している。

完成に1年…2種類のシロップは大人の味

我如古梨乃アナウンサー:
物産館の中、いろんな商品ありますけれども、今回の新名物とは?

佐藤物産館・佐藤善彦さん:
こちらになります

我如古梨乃アナウンサー:
シロップ?コーラシロップとジンジャーシロップ?

2021年10月から販売が始まった「温泉クラフトコーラシロップ」。佐藤さん自ら10種類ほどのスパイスを調合し、無香料で仕上げている。

これからの寒い時期にもぴったり。お湯で割って飲んでみると…。

我如古梨乃アナウンサー:
コーラのふわっとした香りと甘みと、ちょっとしたスパイスを感じられますね。コーラのいいところが詰まっている。炭酸のシュワッと感がなくても、おいしくいただけます

なんとこのコーラシロップは、完成するまで1年ほどかかったそう。

佐藤物産館・佐藤善彦さん:
スパイスの調合が非常に難しくて、一歩間違えると薬臭くなってしまう。それをうまくまとめて、コーラの香りに仕上げるのが大変でしたね

ジンジャーシロップも、生姜と複数のスパイスを組み合わせて作っている。こちらは炭酸水で割っていただいた。

我如古梨乃アナウンサー:
爽やかなんですけど、ジンジャーのピリッと感もあって、すごく飲みごたえがあります。温泉で温まったあとにこれをいただくと、また違った楽しみ方ができるかもしれない

コーラシロップとジンジャーシロップを作ったきっかけは何だったのか?

佐藤物産館・佐藤善彦さん:
お酒を飲めない方や飲まない方向けに、大人なスペシャルドリンクを楽しんでほしいと考えました

豚ヒレ肉との相性抜群 衣とソースにピーナッツ

我如古梨乃アナウンサー:
続いて、会津若松市にやってきました。会津のご当地グルメと特産品がコラボして、新たな名物が誕生したということなんです

福島県会津若松市門田町にある「割烹 芳登里」では、本活的な日本料理や丼もの、ラーメンなどをいただくことができる。

我如古梨乃アナウンサー:
新名物が誕生したということなんですが、ズバリどんなものですか?

割烹 芳登里・平田拓弘さん:
「会津ピーナッツソースカツ丼」です。会津名物のソースカツ丼と、会津の名産品のピーナッツを掛け合わせて新しい商品ができました

使っているのは、オクヤピーナッツジャパンが作るピーナッツ。

代表の松崎健太郎さんは、会津でもピーナッツを作ってみたいとの思いから、13年前に地元の農家と一緒に栽培を始めた。

会津産ピーナッツは、粒が大きくクリーミーなのが特徴。

この店では、「会津ピーナッツソースかつ丼」を会津の新たな名物にしようと、2021年11月11日に販売を始めた。

あっさりとしてピーナッツとの相性もいい豚のヒレ肉を使用し、衣には砕いたピーナッツをたっぷりとまぶしている。

最後にピーナッツペーストをブレンドした特製ソースにひたして、会津塗りの器に盛りつけたら出来上がり!

割烹 芳登里・平田拓弘さん:
お待たせしました。こちらが「会津ピーナッツソースカツ丼」でございます

我如古梨乃アナウンサー:
結構ボリュームありますね!ピーナッツがふんだんに使われている感じですね

衣にもソースにもピーナッツ…そのお味は?

我如古梨乃アナウンサー:
お肉のジューシーさはもちろんなんですが、そこにピーナッツの食感が加わるので、今までには食べたことがないような、すごく面白い食感です。ソースも甘くてコクもあって

割烹 芳登里・平田拓弘さん:
ソースには出汁も入っています

コラボ商品で会津の魅力を届ける

会津ピーナッツソースかつ丼の開発には「会津食と農と工芸委員会」が携わっている。

2021年4月に発足した委員会は、30ほどの中小企業が集まり、それぞれの強みをいかした新たな商品作りをしていて、割烹 芳登里とオクヤピーナッツジャパンも所属している。

会津食と農と工芸委員会・稲村恵一朗委員長:
団結してひとつのものを作れば、ひょっとしたら大企業にも勝てるようなコラボ商品ができるんじゃないかというのが、発足のきっかけなんです

会津食と農と工芸委員会・稲村恵一朗委員長:
オクヤピーナッツジャパンの松崎さんも、会津産ピーナッツに対する情熱はどこの農業をしている人にも引けを取らないものがあって。割烹 芳登里の平田さんも会津の料理にもこだわっていらっしゃるので、この2人が結びついたらものすごいものができるんじゃないかなと

我如古梨乃アナウンサー:
こういったコラボの話が来たときはどうでしたか?

割烹 芳登里・平田拓弘さん:
うちも何かきっかけがほしかったので。元々あるもので全く別のものができて、話をいただいてありがたいと思いました

会津ピーナッツソースかつ丼には、会津の「食」と「農」の魅力がたっぷり詰まっている。

(福島テレビ)

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