あとを絶たないSNSを通じた詐欺事件。先日も佐賀県内でSNSをきっかけとした詐欺事件が起き、多額の現金がだまし取られ、警察が注意を呼びかけている。
自分も詐欺の被害に遭っているかもしれないと悩む男性を取材した。
「4万円が倍に、そこから追加で…」
一向に後を絶たないSNSを使った詐欺被害。
11月5日、県内でSNSをきっかけとして起きた詐欺事件が発覚した。

この事件は2021年8月、マッチングアプリで日本に住む女性をかたった人物に佐賀市の30代の男性が騙され、あわせて約650万円相当のいわゆる仮想通貨・暗号資産を購入。

その後、男性が取引をやめようとしたところ、やり取りしていた相手と連絡が取れなくなり、暗号資産のサイトも閉鎖されたことから詐欺に気づいた。
今回 この事件とは別に、自分が詐欺の被害に遭っているかもしれないと悩んでいる男性を取材。
このメッセージは、県内に住む自営業の60代男性のSNSに送られてきたもの。

佐賀県内に住む男性(60代):
向こうから友達依頼みたいなのが来る。それでたまたまボタンを押して知り合った

2020年、男性はSNSで日本に住む女性と名乗る人物と知り合った。
相手とは実際に会ったことはないものの、紹介された海外のサイトで暗号資産の取引を始め、これまでに合わせて約400万円を投資した。

佐賀県内に住む男性(60代):
4万円で大体倍ぐらい儲かったので、倍儲かるんだったらということで50万入れたりして。50万だったのが100万近く上がったりしたから、じゃあもっとつぎ込もうで増やしていって、最終的には1,100万までなったんですよ

つぎ込んだ現金数百万円がみるみるうちに、1,100万円分の暗号資産に。男性はこの1,100万分の暗号資産を換金しようとしたところ、サイトを運営する取引業者から所得税として10パーセント、約110万円を支払うよう要求された。

男性はこれに従って、親戚から金を借りて約110万円を支払ったが、取引業者からはさらに要求が来たという。
ラインの画面:
プラットフォームはニュージランドの取引所なので、外国人投資税を10パーセント支払う必要があります

男性は手元に金がなかったため、そのことを伝えたところ予想外の返事が届いた。
ラインの画面:
友達になんとかしてもらって回りましょう。外国人住民の投資税が処理された後、資金が入金されるのが早いので、その時に友達に返せばいいです

男性は不審に思い、警察に相談。警察からは、詐欺なので金を支払うのをやめるよう言われたという。
最後に警察に相談してから2週間ほどが経ち、約1,100万円分の暗号資産がどうなっているのか。取材中に男性が確認しようとしたところ、驚きの事態に…

Page Not Foundに…半ば諦め状態の男性
佐賀県内に住む男性(60代):
あれ?いつの間にか「Page Not Found(ページが見つからない状態)」になっている。ここで僕の暗証番号を聞いてくるんですけど。ここで入っていかないです

2週間前にログインできたというサイトからは、ログインするためのページが消えていた。
男性は紹介した相手や、今も1,100万円分の暗号資産が存在すると信じたいとしながらも、半ば諦めているという。

佐賀県内に住む男性(60代):
半分諦めていますね。今まで払って入ってこなかったから、この25万もね…ダメになったら馬鹿みたいだなというのがある

男性は業者から海外送金の税金などとして、さらに25万円を支払うよう要求されているということだが、現在は支払わず、様子を見るとしている。

この件について、県警は「個別の案件については答えられない」としている。
田中良宜記者:
県警は基本的に、SNSやアプリを通じて知り合った相手から現金や暗号資産を要求されたときは詐欺を疑い、警察に相談するよう呼びかけている
(サガテレビ)