11月5日から7日に行われたフィギュアスケートの西日本選手権。

シニア男子は森口澄士、シニア女子は荒木菜那が優勝。ジュニア男子は壷井達也、ジュニア女子は柴山歩が優勝した。

この大会で上位選手の演技を振り返っていく。

シニア男子

シニア男子の表彰式
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ユニバーシアード代表の森口を除く上位9名が12月23日から26日にかけて行われる全日本選手権への出場を決めた。優勝した森口は12月17日から20日にスイスで開催されるユニバーシアードに出場するため、帰国後の隔離措置が緩和された場合、全日本選手権への出場が追加される。

10月の近畿選手権で4位だった森口は、「近畿が終わってから調子が絶不調まで落ちた」と振り返る。ショートではトリプルアクセルでミスが出るも、演技の中で「耐えようという気持ちが出せた」と、その後のジャンプはしっかりと着氷。森口も「調子が戻ってきて少し安心しています」とホッとした表情を見せた。

シニア男子で優勝した森口澄士

フリーでは「失敗すると後に引きずってしまう」という理由で4回転トゥループを回避。このジャンプはユニバーシアードでも回避の方向で考えているという。

2本のトリプルアクセルを跳んだが、1本目はGOE(出来栄え点)がマイナスの評価となってしまい、2本目もダブルで着氷してしまう。しかし、それ以外のジャンプはすべて着氷し、しっかりとまとめた。

森口澄士

演技後には「近畿(選手権)のフリーではジャンプが7本中5本ミスしてしまい、そこから練習を積み重ねてきて、満足はしていないけど、よくここまでまとめたなと少しだけ自分を褒めたい」と前を向いた。

1 森口 澄士(木下アカデミー)197.37
2 須本 光希(関西大学)194.54
3 木科 雄登(関西大学)180.61
4 杉山 匠海(岡山大学)167.82
5 櫛田 一樹(関西学院大学)164.63
6 鈴木 零偉(広島スケートクラブ)144.37
7 辻村 岳也(同志社大学)131.13
8 和田 龍京(中京大学)129.26
9 古家 龍磨(九州工業大学)123.11
10 早川 晃太郎(国際医療福祉大学)119.66

シニア女子

シニア女子の表彰式

竹野比奈を除く上位10名が全日本選手権へ出場。10位の竹野比奈は、ユニバーシアード代表のため、帰国後の隔離措置が緩和された場合に追加される。

優勝した荒木は過去にジュニアとして2度の全日本に出場した経験があるが、シニアでの出場は初めてとなる。

シニア女子で優勝した荒木菜那

ショートではルッツに苦手意識を持っているため、9月の中部選手権後3回転ルッツ+3回転トゥループのコンビネーションを入れるか迷っていたが、ノーミスで演技をすることを優先し、3回転ルッツ+2回転トゥループに変更。その判断が功を奏したのか、本番では見事着水した。

荒木菜那

フリーでは2本目のジャンプにミスが出たが、それ以外のジャンプは着氷させ、ショート3位からの逆転優勝を果たす。「以前の自分だったらミスを引きずっていた」と荒木は話すが、「それでも踏ん張れたのは全日本への思いが強かったから」と全日本出場への並々ならぬ思いを明かした。

今大会で自信もつき、今年は「考え過ぎず思い切りやるだけ」と目標を掲げ、全日本では構成を上げて、ノーミスでの演技を目指すという。

今シーズンで引退を表明している新田谷凜は9位に。“現役人生最後の大舞台”と決めた全日本選手権には出場が決まるも、今大会は「スケート人生で1番、試合前に調子が落ちた。今までは気持ちでなんとか持ってこられたが、気持ちだけではどうにもならなくなった。引退時だと実感した」とこぼした。

ショートでは冒頭の3回転フリップ+2回転トゥループのコンビネーションでは踏み切りにミスが出てしまい、単発の3回転ルッツも転倒してしまう。ラストシーズンは楽しく終えることと、1番難しい構成に挑戦すること、その両立が難しいという葛藤もあるという。

フリーでは直前に攻める構成で挑むことを決め、絶不調の中でも意地で3回転ルッツ+2回転トゥループを成功。最後となる全日本選手権までに「自分のベストな構成に戻せるように頑張りたい」と意気込んだ。

1 荒木 菜那(中京大学)174.23
2 白岩 優奈(関西大学)166.92
3 山下 真瑚(中京大学)165.19
4 籠谷 歩未(同志社大学)163.22
5 三宅 咲綺(岡山理科大学)163.06
6 浦松 千聖(中京大学)159.72
7 大庭 雅(東海東京FH)157.87
8 野口 望々花(関西学院大学)156.43
9 新田谷  凜(中京大学)154.16
10 竹野 比奈(福岡大学)152.02
11 竹野 仁奈(筑紫女学園大学)149.74
12 森下 実咲(関西大学)145.46

ジュニア男子

ジュニア男子の表彰式

上位17名が11月20日から21日に行われる全日本ジュニア選手権に出場する。

優勝した壷井は、近畿選手権のフリーで左肩を脱臼してからの見事な復活で連覇。「(近畿後は)腕を固定し1週間休んだ。そこから練習を再開し、最低限のトリプルアクセルまで戻せてよかった」と話した。

壷井達也

ショートはそのトリプルアクセルを含め、ノーミスの演技を披露。調整不足を感じさせない演技だったが、壷井自身は「練習不足でジャンプの質がまだまだ」と納得がいかない様子。

ジュニア男子で優勝した壷井達也

フリーでは4回転を回避したが大きなミスなく滑り終え、優勝した全日本ジュニア以来の自己ベストを更新した。

自身7度目となり、最後の全日本ジュニア選手権への出場に向けて、「1番上を目指して頑張りたい。あと2週間しかないが、この構成のまま全日本ジュニアに向かうつもりはないので、4回転を戻して全日本ジュニア選手権で入れられればいい」と、4回転を成功させての2度目の全日本ジュニア優勝に向けて意欲を見せた。

1 壷井  達也(神戸大学)221.79
2 片伊勢  武(神戸クラブ)209.03
3 中村  俊介(木下アカデミー)180.14
4 森本  涼雅(木下アカデミー)178.98
5 吉岡  希(西宮甲英高等学院)171.22
6 田内  誠悟(名東FSC)165.75
7 垣内  珀琉(ひょうご西宮FSC)164.64
8 朝賀  俊太朗(木下アカデミー)157.89
9 三島  舞明(名古屋FSC)155.92
10 垂水  爽空(パピオフィギュアクラブ)154.85
11 松岡  隼矢(沖学園)149.68
12 小林  隼(滋賀短期大学附属高校)145.51
13 誉田  知己(愛知みずほ大瑞穂高校)140.30
14 樋口  温之(岡山SC)138.32
15 篠原  大輝(香川フィギュアC)130.64
16 鈴木  空(就実学園)129.69
17 小島  志凰(浪速中・高スケート部)127.16

ジュニア女子

ジュニア女子の表彰式

シードの吉田陽菜を除く上位14名が全日本ジュニア選手権へ出場する。

優勝した柴山はジュニアデビューで初優勝し、2度目の全日本ジュニア選手権へ。ショートでは、まるで夢の国にいるような気持で踊ったという。「表現力はお姉さんたちよりまだまだ」と課題を挙げるが、ジャンプをすべて成功させ、見事自己ベストを更新。

柴山歩

フリーでは演技中、髪飾りが落ちるというハプニングがあり、減点対象になってしまう。トリプルアクセル抜きの構成だったが、フリーで113.34点をマーク。

得点源の連続ジャンプをきっちり決めたことは、全日本ジュニア選手権に向けての収穫となった。「今回はダブルアクセルでまとめて自己ベストを出したかった」と悔しがる。

ジュニア女子で優勝した柴山歩

将来的にはトリプルアクセルを入れることを考えているが、まだ完ぺきではないという。全日本ジュニア選手権に向けては「ショート・フリーをそろえて、表彰台に立つことが目標」と語った。

1 柴山  歩(木下アカデミー)177.70
2 櫛田  育良(木下アカデミー)175.77
3 田中  梓沙(木下アカデミー)174.28
4 江川  マリア(パピオフィギュアクラブ)164.34
5 大門  桜子(木下アカデミー)162.88
6 吉田  陽菜(木下アカデミー)162.71
7 清水  咲衣(大阪スケート倶楽部)151.16
8 横井  きな結(中京大中京高校)149.59
9 岡本  真綸(岡山理大附高校)148.86
10 岩崎  陽菜(なみはやクラブ)144.22
11 磯村  彩姫(中京大学)133.59
12 吉本  玲(神戸クラブ)132.42
13 高橋  萌音(神戸クラブ)131.66
14 柚木  心結(京都宇治FSC)131.46
15 後藤  千弦(グランプリ東海クラブ)130.58

ペア

柚木心結・市橋翔哉組

9月に結成した新カップル、柚木心結・市橋翔哉組のデビュー戦。

3年間パートナーが見つからず、ペアとしての活動ができなかった市橋と、ペア競技をやるために北海道から出てきたという柚木。「まだまだエレメンツをこなすのに精いっぱい」と話すが、ペアカップルとしてしっかりとスタートを切った。

柚木心結・市橋翔哉組を指導した高橋成美さん

練習を開始してまだ2カ月、西日本選手権前にリモートで2人を指導したという、世界選手権ペア銅メダリストの高橋成美さんは「リモートで指導していた際にもっとスピードを出しなさいと何度も言ったが、実際に観たらかなりスピードが出ていた」と2人のスピード感ある演技に驚いていた。

柚木心結・市橋翔哉組

そして「すぐに日本を飛び出て世界に行けるペアになると思う」と太鼓判を押した。「将来は日本を背負っていけるような存在に」と前を向く2人、デビュー2戦目は全日本選手権だ。

1 柚木 心結・市橋 翔哉(京都宇治FSC・関西大学)98.34