岡山・美咲町の定食店が、経営者の高齢化による閉店の危機を乗り越え、大阪からの移住者が店を引き継いだ。
常連客に親しまれた味を守りながら、新しいメニューも開発し、話題となっている。

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みんなで守ってきた“味”と“豆腐”

農林水産省の「日本の棚田百選」にも選ばれ、棚田がすり鉢状に広がる大垪和西地区。この近くにあるのがカフェ・シェヌー。フランス語で「私たちの家」を意味する。

店のオーナーは、大阪から移住した若浦宗八さんと園田郁美さん。2人は2年前に美咲町で開かれたアートイベントに参加し、自然に魅せられ、2020年9月に移住した。

カフェ・シェヌー 園田郁美さん:
美咲町や大垪和の風景をすごく気に入って、空が広いなって

カフェ・シェヌー 若浦宗八さん:
星がきれい

実はこの場所、元は駐在所だった建物を活用した地元の女性たちが運営する定食店だった。1990年代に閉店した地元の豆腐店の豆腐や油揚げを再現した定食を提供していたが、メンバーの高齢化で定食店の継続が困難になっていた。

そんな中、移住した若浦さんと園田さんが豆腐づくりなどを引き継ぐことになった。

豆腐作りをしていた人:
うれしいです。少しでも大勢来られたら。新しく来た人はみんな仲間になってくれる。助かります

新メニューも好評…今後は芸術活動も

店の人気メニューは、地元の野菜とおからを揚げたコロッケをパンにはさんで食べるイスラエル料理をアレンジしたサンドイッチ風。豆腐や油揚げも予約制で販売している。

味わった人:
野菜がたくさん入っているので新鮮な素材の味を楽しめる。おからが得意じゃないが、あんまり気にせず食べられた。苦手な人も楽しんで食べやすいと思う

ガーデン席も設けられた。アーティストでもある2人は、新型コロナが収束したらここで音楽やダンスのイベントも開きたいという。

カフェ・シェヌー 園田郁美さん:
地元の人や他から来た人、色んな人が出会い、一緒に同じ経験をしていく場所として、人と人を結ぶこと、おいしいものを食べること、文化的なことに触れることを提供していきたい

店の営業は水曜日を除く毎日、正午から午後3時まで。若浦さんと園田さんは、山あいの集落に新しい風を吹き込んでいる。

(岡山放送)

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