新型コロナの全国的な感染拡大に歯止めがかからない。政府は27日、緊急事態宣言の対象地域に北海道や宮城県など新たに8道県を追加した。

そのよう中で、今回新たに対象地域となった岐阜県が、8月16~18日に公表した感染者について、その一部の行動歴を明らかにしている。

示されたのは10代~50代の男女17人の行動歴。行動歴は「実家に帰省し親族又は友人と会食」「家族や友人と旅行」「友人や親族との会食」「友人とバーベキュー(BBQ)」という4つに分類し、その具体的な行動も紹介した。

(1)実家に帰省し親族又は友人と会食

・50代女性:
愛知県の実家に親族10人程度が集まり、お墓参り後に一緒に食事。

・30代女性:
九州の実家に帰省。他県からも親族が帰省し、親族5人で会食。後に他県から来た親族の陽性が判明。

・20代男性:
発症前に県内の実家へ帰省し、友人5人と居酒屋ハシゴし飲み歩き。

・10代男性:
実家がある関東へ帰省。帰省先で友人と複数日に渡って遊興施設や観光地を訪問。

(2)家族や友人と旅行

・20代女性:
発症前に、関西の友人宅に滞在し友人宅でのパーティーに参加。パーティー参加者8名のうち5名の陽性が後に判明。

・10代女性:
友人3人とカラオケし、その後、別の友人3人と三重県へドライブ。同日夜にさらに別の友人3人とカラオケし、その4人全員が陽性判明。

・20代女性:
発症前に複数回、友人親子の家へ家族で遊びに行く。友人宅ではマスクなし。また、友人2家族と計11人でとリゾート施設でBBQ。

(3)友人や親族との会食

・20代女性:
友人3人と名古屋市の居酒屋で飲食。うち1名が後に陽性と判明。

・20代男性:
発症前に、三重県のナイトクラブでパーティーに参加。

・20代男性:
発症前に夫婦で結婚式へ参加。その後の2次会から4次会まで参加。

・20代女性:
発症前に友人と4人で朝から晩まで遊ぶ。その後も複数の友人と会い、県内又は県外で会食を繰り返していた。

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・10代男性:
発症前に友人を自宅に呼んで4人で食事し、その後麻雀。後に会食及び麻雀のメンバーに感染者がいたことが判明。

・20代男性:
38度以上の発熱があったにも関わらず、友人と居酒屋で飲食。

・30代男性:
友人10人と名古屋市内で会食。そのうち1人が発熱していた。

(4)友人とバーベキュー(BBQ)

・20代女性:
自宅や河川敷で友人とBBQ。また複数日に友人と県内で飲み歩く。

・20代男性:
発症前に友人8人で集まりBBQ。その後カラオケを行った後、飲食店で飲食。

・20代女性:
発症前にSNSで知り合った6~7人で県内の河川敷でBBQ。 
 

個人が特定されない形ではあるが、個人の細かい行動が示されている。一つ一つを見てみると、これまでも「控えて」と呼びかけられていた「旅行」や「会食」などでの感染が確認できる。

このように具体的な内容で紹介されると予防するうえで参考になるが、このタイミングで行動歴を公表したのはなぜなのか? また、17人に共通するのはどのような行動で、そこからどのようなことを読み取ればよいのか?

岐阜県・感染症対策調整課の担当者に話を聞いた。

「自分は大丈夫だろう」という油断や隙に入り込んで感染

――8月16~18日の感染者の年代別の割合は?

当該期間においては、全感染者数に占める30代以下の割合が68.9%と、全体の3分の2強を占めています。


――感染者の一部の行動歴を公表したのはなぜ?

単に感染リスクの高い行動類型をお示しするより、より具体的な感染事例を公表することで、より多くの方に情報が伝わり、感染拡大の抑止に繋がるのではないかといった専門家からの指摘もあり、今回の公表に至りました。


――感染者の行動歴を見て、どのようなことを感じた?

「自分は大丈夫だろう」といった受け止め方をされている方も、少なくないのではないでしょうか。新型コロナウイルスは、そうした油断や隙に入り込んで感染する特性があるということを、多くの方に理解をいただきたいと思います。

また、そうした行動に気を付けていただくことで、感染者が少しでも減り、医療のひっ迫が少しでも低減されればと思います。


――この期間の感染者のうち、感染リスクの高いとされる行動をとっていない人もいた?

「家族内感染」の方も少なからず、いらっしゃいます。家族内感染は予防が困難であり、必ずしも全ての感染者が感染リスクの高い行動をとっていたとは言えません。

(画像はイメージ)

「基本的な対策を取っていない行動歴を持つ方が非常に多い」

――感染者の行動歴を踏まえ、感染しないためにはどのような感染対策が必要となる?

こうした具体的な事例を提示することで、一人一人が自分自身を守っていただきたいと考えています。

行動歴の事例を丹念に見ていくと、「マスク未着用」「普段、一緒に居ない人との飲食」「長時間飲酒」といった、基本的な対策を取っていない行動歴を持つ方が非常に多く、こうした隙から、新型コロナウイルスに感染しているように見受けられます。

このところ、岐阜県では感染者数が多く、これまでにない緊迫した事態の最中ではありますが、まずは、こうした丁寧な情報提供、アラートを出して、新規感染者を抑え込んでいきたいと考えています。


――8月19日以降の感染者についても今後、定期的に行動歴を公表していく?

今後も折を見て、公表することも検討しています。


岐阜県によると、「マスク未着用」「普段、一緒に居ない人との飲食」「長時間飲酒」といった、基本的な感染対策を取っていない人が多いことも分かった。「自分は大丈夫だろう」という油断に入り込んで感染するという話も印象的だった。

自らが感染しないためには、改めてではあるが、「自分は大丈夫」と油断せず、「マスク着用」など基本的な感染対策を徹底することがやはり重要ということなのだろう。

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