早朝から長蛇の列…急遽増枠も

8月27日、午前8時半には30.4度にまで達した東京都心。

炎天下の中、渋谷では早朝から若者たちがワクチン接種会場に大行列を作っていた。

重症化を防ぐためのワクチン接種。

26日時点での新型コロナウイルスの全国の重症者は前日から26人増えて2000人となり、15日連続で過去最多となっている。

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そんな中、東京都は27日から、渋谷駅近くに若者向けのワクチン接種会場を開設。

都内在住、もしくは都内に通勤・通学する16~39歳の人が対象で、予約なしで接種が受けられることから、多くの希望者が殺到した。

――何時から並んでいる?

男性:
午前3時半です

――その時、前には?

男性:
十数人並んでいました

東京都は接種上限を当初、1日200人としていたものの、本来の受付開始である午前11時50分より前に希望者の数が上限に達したため、急遽300人に増枠。午前7時半までに受付を打ち切った。

このため、受付終了後も次々と接種希望者が訪れ、職員が説明に追われる事態となった。

接種受付を断られた人:
深夜の時点で並んでる人がいて、もう受け付けが終わっていると言われたんですよ。深夜の人を認めているんだったらそれも告知しないといけないのに、職員に伝えたら『明日以降は検討いますから、すみません』の一点張りで、来た意味って何だったのって

小池都知事は「密でしたね」

小池知事はこの行列について「現場で工夫してほしい」、また、ワクチンを接種できなかった人が多数出たことについては「大規模接種会場を活用してほしい」と話し、30日からは都庁の展望室2カ所と、乃木坂の大規模接種会場での対象年齢を16歳以上に拡大することも明らかにした。

小池都知事:
密でしたね。工夫してほしいですね、現場で。ワクチンを打ちたいという若い方々、たくさんいらっしゃるわけですから、渋谷のみならず大規模接種会場に予約システムがございますので、それを有効に活用していただければと

都の担当者は「平日で予想ができなかった」として、28日以降は「抽選券を配るようにする。あたり・はずれがある抽選方式にして、並ばないように工夫する」と述べている。

「どうしたらいい?」民間救急に電話相次ぐ

ワクチン接種をめぐる混乱がある中、コロナ患者を病院に搬送する業務を担う民間救急には、保健所などからの搬送の依頼が相次いでいる。

「民間救急 かご屋」の搬送現場に同行した取材班は、厳しい状況下にある現場に遭遇した。

酸素を投与するチューブをつけたまま民間救急車に乗り込んできた40代の女性。女性は自宅療養していたというが、この日入院先が決定。酸素を投与しながら病院へと向かった。

女性は時折タオルを顔にあてたり、身をかがめたり苦しい仕草を見せつつも、無事都内の病院に搬送された。

週末の2日間だけで搬送したコロナ患者は、32人に上った。

民間救急 かご屋・木原正昭代表取締役:
本当に切羽詰まった感じで『どこに電話していいかわからない』『どうしたらいいですか』っていうような電話が夜中に頻繁にあるので、今は24時間、電話は出るようにしていますね

(「イット!」8月27日放送分より)