「制御が不能な状況」「災害レベル」

「かつてないほどの速度で感染拡大が進み、新規陽性者数が急増しており制御が不能な状況であります」

東京都の新型コロナウイルスモニタリング会議では、新規感染者の7日間平均が3934人になり、2週間で倍増、増加比は114%で、7週連続で100%を超えたとの分析が示された。

「災害レベルで感染が猛威を振るう非常事態であります」

国立国際医療研究センターの大曲貴夫国際感染症センター長は、重ねて強い危機感を示したうえで「この危機感を現実のものとして皆で共有を」と訴えた。

大曲貴夫国際感染症センター長「危機感の共有を」
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10歳未満感染者増加、保育園、学童クラブでの対策を

感染経路別では、家庭内感染が約6割と最も多い一方で、10歳未満の施設内感染が前回の82人から189人に大きく増加。保育園、学童クラブ等での感染予防対策の徹底が必要、との指摘がだされた。

医療提供体制は深刻な機能不全

医療提供体制については、重症者が急激に増加しており、救急医療や予定手術等の通常医療も含めて医療提供体制が深刻な機能不全に陥っていて、今の感染状況が続くだけでも体制の維持が困難になる、と非常に厳しい現状が示された。

小池知事「抗体カクテル療法を宿泊療養でも」

「重症になる方は今のところは見ていない」

注目が集まっている抗体カクテル療法について大曲センター長は、経験は非常に限られていると前置きしたうえで、リスクの高い患者に投与したところ重症になった人は見ていない、とする一方で、投与後は24時間経過観察の必要があり、投与による医療への負荷の重さも明らかにした。

「抗体カクテルが上昇を抑えることに繋がれば、それは医療提供体制の負担を軽減することになる」

小池知事は、この抗体カクテル療法を約120カ所の入院重点医療機関で実施できるよう薬剤を確保、都立公社病院で専用病床を20床確保、さらに一部の宿泊療養施設でも対応できるよう体制を整備する、と明らかにした。

小池知事「抗体カクテル療法を宿泊療養でも」

入院とは手厚さが違う 自宅療養患者を診るために

「やっぱり入院しているのとはその手厚さとかいろいろ違いますので、いろいろやってはおりますけれどもなかなか手が届かないという部分が、まさに災害と言うのにふさわしい状況になってきます」

東京都の感染者数の増加に比例して増え続けている自宅療養者。11日には、基礎疾患のない30代男性が自宅療養中に死亡している。

東京都医師会の猪口正孝副会長は「自宅療養の患者さんを診るために、あらゆる手を尽くして考えられる方法いろいろ手つくしております」と、医療逼迫の中での自宅療養者対応の体制作りにも追われる現状を話した。

東京都医師会 猪口正孝副会長「自宅療養の患者さんのため手を尽くしている」

夜の繁華街、最も多いのは中高年

「夜間滞留人口を年齢階層別に分析すると中高年層の割合が最も高い」

夜の繁華街を出歩いている人のうち、20時から22時は15歳から39歳が43%、40歳から64歳が49%、22時から24時は15歳から39歳が44%、40歳から64歳が47%、との分析が示され東京都医学総合研究所社会健康医学研究センターの西田淳志センター長は「若年層のみならず中高年層の一層の協力が必要」と指摘した。

夜の繁華街、最も多いのは中高年層

「人流の5割削減を」

「人流の5割削減ということを、この間徹底してお願いしたい」

不用不急の外出自粛や帰省・旅行の中止・延期とともに緊急事態宣言開始前の5割に人流を抑えるよう求めた小池知事。

買い物についても、毎日行っている人は3日に1回、家族みんなでいかずに少人数にすること、などと話した。その一方で

「ご協力をお願いするというのが我が国の法の立て付け」

とも話し、強制力がないことの難しさを改めて滲ませた。

自分の身は自分で守る

「もはや、災害時と同様に、自分の身は自分で守る感染予防のための行動が必要な段階」

感染状況、医療提供対策の両方で「災害」という言葉が使われたたが、私たちがまず出来るのは「出来るだけ人と会わず」「出来るだけ自宅にいる」。

そして手洗い、消毒、マスクの正しい着用、これらを当たり前のこととして丁寧にくりかえしていくしかない。

(フジテレビ 都庁担当 小川美那)