割った石から綺麗に姿を表した化石を捉えた動画がTwitterに投稿され、話題となっている。
それがこちら。
人生最高の割れ方した pic.twitter.com/3RzlTOd2HH
— カンタ (@ammonite_boy) July 2, 2021
「人生最高の割れ方した」とのコメント共にTwitterに投稿された動画では、ひびが入った石を開くと、その断面に、イカやタコの仲間であるアンモナイトの化石が出てきたのだ。
たしかに、アンモナイトの全体像が分かる綺麗な石の割れ方をしており、何回も見てしまいたくなるほど美しい。


動画をTwitterに投稿したのは、北海道大学の理学部に通う学生「カンタ」(@ammonite_boy)さん。普段から趣味で化石を掘っているそうで、こども化石クラブの先生もしているという。
なおこのアンモナイトの化石は、カンタさんが石から取り出すクリーニングという作業をしたところ、化石の大きさは8センチほど。取り出しただけでもとても綺麗だったため、特に磨いたり洗ったりせず、あえてそのままにしているとのことだ。

石の中からアンモナイトの化石が発見される動画にTwitterでは「アンモナイトってこんな綺麗に取れるもんなんすね」「神がかってる」などの声があり、約3万8000件のいいねがつくなど、話題となっている。(7月14日現在)
アンモナイトの化石を見つけた当時の状況や、なぜ綺麗に石が割れたのか、投稿者のカンタさんにお話を伺った。
割れる石の方向を予測して、ハンマーとタガネを使用
ーーアンモナイトの化石を見つけた時の状況を教えて
趣味で化石採集をしているのですが、昼頃に北海道の山中で石を割ると大きなアンモナイトの化石の一部分が出てきたので、そのまま持ち帰りました。
ーー石はどうやって割った?
石はハンマーとタガネを使って割りました。もともと化石の一部分が見えていたので割れる石の方向を予測して割るという工夫をしました。
ーーアンモナイトの化石を発見したときどう思った?
発見した時はとても感動しました。ここまで綺麗に化石が出てくるのは中々ないので、とても嬉しかったです。

ノジュールという石の中に入っていることが多い
ーー改めてアンモナイトについて教えて
アンモナイトは、今から約4億年前に現れ、6600万年前に恐竜と共に絶滅しました。この化石が採れた産地、一緒に採れた化石の種類からこの化石は白亜紀後期、7200万年前の化石です。
ーー日本で発見されるのは珍しい?他にはどんな種類がある?
アンモナイトの化石は日本だけでなく世界中でたくさん見つかります。直径2メートルを超えるものから大人でも5センチ程度のもの、棘を持った種類など世界中で一万種以上が知られていると言われています。
ーー一般的に石の中にあることが多い?
一般的にはノジュールという特殊な石の中に入っていることが多いです。この化石もノジュールの中に入っていました。

今まで1000個以上の化石を発掘
ーー今までどれくらい化石を発見した?
今まで約1000個以上の化石を発掘しています。
ーー反響についてどう思う?
反響についてはとても驚いています。たくさんの方に化石、古生物の魅力が伝わったと思うとすごく嬉しいです。

ーー今後みつけたい化石はある?
今後も珍しいアンモナイトや恐竜の骨の化石などを見つけたいです。

綺麗に石が割れたのは偶然ではなく、石の割れる方向を予測しつつ、上手にハンマーとタガネを使った結果のようだ。なお、カンタさんはアンモナイト以外にもいろいろな化石をTwitterに投稿しているので、興味がある人はチェックしてほしい。
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