「S-PARK」の野球解説者たちが、気になった選手やMVPを独断と偏見で選ぶ「MONDAY BASEBALL」。気になる選手の裏話や“スゴい”ポイントも合わせて紹介する。
これまで野球解説者たちが注目する選手をピックアップしてきたが、今回は“あなたの質問に答える”企画ということで、「S-PARK」野球解説者の真中満さんが様々な質問に答えた。
この記事の画像(11枚)「1日が長かった」ドラフト事件
「ドラフトでの思い出は何ですか?」という1つ目の質問。
真中さんにとってのドラフトの思い出は、やはり2015年の“ドラフト事件”だという。
当時明治大学4年の髙山俊(現在阪神タイガース)を、ヤクルトスワローズと阪神タイガースが1位指名し、競合。クジを引いた当時ヤクルトの監督だった真中さんは、ロゴの印字を“当たり”と勘違いしてしまい大喜びをしてしまった事件だ。
「あの場面は一言で言ったら恥ずかしい。一言では言えないけどね」と苦笑いを浮かべる真中さん。
ドラフト当日は朝から明治神宮で「1位で良い選手が取れますように」とお参りし、午後には会場で選手についての打ち合わせを行い、その瞬間を迎えたという。当時を振り返り「1日長かった」と話すが、「引いたあとはもっと長かったけどね」と笑いをとった。
村上はホームラン王を狙える
2つ目は「交渉権獲得」という質問には、ヤクルトの村上宗隆をピックアップ。
6月13日のソフトバンク戦で20号ホームランを放った村上は、この時点で12球団トップの20号となった。
2017年、ドラフト1位でヤクルトに入団した村上。
真中さんは「まだ4年目だから」としつつ、今年は「ホームラン王や打点王はいけそうな気がするよね。あ、でも打点は岡本(和真・読売ジャイアンツ)がいるのか。今の感じだと状態も上がってきているのでホームラン王はいけそうな気がする」と期待する。
「ホームランが出るときはみんな状態が良いときから、良いときはどの選手だっていい。村上は状態が悪いときでもボール球を振らずに、我慢できているのが非常にいい。
(ホームランを)打っているバッターは調子が悪くてホームランが出ないと、ボール球に手を出してみたりして、もっと悪くなったりする。村上は意外と冷静で、打ちに行かずにしっかりボールを選んでいるところが、今の数字につながっていると思う。それをやっていると、これからまだまだ上がると思うので楽しみですね」
さらに真中さんは、村上のプロ初打席初本塁打を例に、「持っているよね。星の下というかね、それは感じる。なかなかできないことだから。スター性はある」と称賛した。
今年はセ・リーグが強い!
3つ目の質問は「ゴルフの飛距離は伸びましたか?」。
25年近くゴルフをしている真中さんだが、「最初凄く嫌いで。朝早いし、前の日もお酒飲んだりできないし、1日拘束されるし。でもユニフォーム脱いでから時間ができた」ため、ゴルフに集中する時間ができたそうだ。
「最初はドライバーが180y〜200yくらいしか飛ばなかった。成人男性だったら220yから250yくらい。一応アスリートなんだけど、成人男性よりも飛ばないわけよ。最近はYouTubeで勉強して良くなって今は200y。当たると250yくらいいく」
その成長の理由は「練習」だと明かす真中さん。
「野球はマシーンとかで打っていて、最後の1本は芯にカーンと打って終わりたい気持ちがあるけど、俺は最後の1本は、仮に変な当たりでも止められた。でもゴルフの練習は、ドライバーの最後の一本を『真っ直ぐ打ってやめよう』と思っても、ちょっと曲がったりすると『ダメだ』ってまた(練習が)続くんだよね。野球に対してもそれくらいの姿勢が欲しかったって反省してる(笑)」
4つ目の質問は「今年は交流戦でセ・リーグが勝っているのはなぜですか?」。
2005年から交流戦の成績を見ていくと、中止になった2020年は除いて、2009年以外はすべてパ・リーグが勝っている。
真中さんは「今年は下馬評でパ・リーグが強いと思っていたけど、セ・リーグのバッターがパ・リーグのピッチャーを攻略した」のだという。
さらに、セ・リーグにはヤクルト・村上、阪神・佐藤輝明、巨人・岡本と「スター選手が出てきました」からと続ける。
「スター選手に引っ張られるような形で、中堅もベテランの選手も負けてられないから良い効果が産まれている。セ・リーグのOBとしては、今年セ・リーグ優勝チームが日本シリーズでパ・リーグにどう挑むか、期待したい」
(ディレクター・渡辺大地)